さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

シグルイ体験版

好きな漫画とか映画とかCDについて「見れば分かる!」的なこと言う人って多いじゃないですか。そういうのって普段は饒舌かつ的確なコメント言う人が「こればっかりは何も言わない、黙って買え!」なら「それほどすごいんだな」って思いますけど、僕みたいないち素人が「とにかく見て!」って言っても説得力ゼロなんですよね。
 
昨日書いた漫画アワードで1位にした「シグルイ」なんですけど、「みんな1度でいいから読んでみて!」っていう思いをこめての1位なんですよ。でも昨日書いたコメントだけ読んで「あの松本が1位に選んだなんてーっ!」「立ち読みしたのにその後さらに買ったとはーっ!」という風に購読意欲そそられた人なんて皆無だと思うんですよ。
だから今、「シグルイこんなに面白いよ!」っていう文章を新たに書いてたんですけども、僕の言葉だけじゃ面白さを伝えられないんですよ。そもそもこの漫画、絵がないと魅力激減なんですよ。
 
というわけで書きました。シグルイ第1話体験版。
ほんとに抜粋して載せるだけなんで、「批評でうまいこと言って誉めてもらったり自己満足にひたったりしよう」「宣伝してアマゾンで儲けよう」とか一切抜き!なにやってるんだろう僕!そんなにこの漫画好きか!好きです!そして怒られたら消します!それではどうぞ!あ、斜体は引用部分です。
 
 
まず冒頭のシーン、徳川家光実弟、忠長の紹介から。
 
「忠長の暴虐伝説は数多く、生きた殺生禁断の神山で千二百四十頭の猿を射殺したとか 生きた妊婦の腹を割り裂いた等などがあるが それらは俗説であり 史実であることを証明できない」
「『駿河大納言秘記』に収められた駿河城内の御前試合の記述のみが忠長の驕暴を世に知らしめる唯一の信憑すべき記録である」
「出場剣士十一組二十二名 敗北による使者八名 相討ちによる死者六名 射殺二名 生還六名 中(うち)二名重傷  手島竹一郎氏家伝写本『駿河大納言秘記』より」

 
見よ、流血のエクスタシー!「シグルイ 〜第一景 駿府城御前試合〜」
 
寛永六年、駿府城
徳川忠長になにかを進言しようとしている家臣・鳥居。
しかしいきなり忠長に「臭うな」。
それもそのはず、鳥居は陰腹を斬っていたから。
陰腹というのは、あえて不義理を為す際に、自らへのけじめにあらかじめ腹を斬り、それを押し隠して臨むこと。そんなことまでして何を訴えたいかというと、
「今度の御前試合は真剣でやると聞きましたがお取り止めください」「剣技の優劣は木剣でも十分見て取れます」「真剣を用いてはせっかくの武芸者の身に大事が」「天下は既に太平なのに家康ゆかりの城の庭先を血で汚すとお家の一大事」。
 
そりゃ確かに忠信は狂っている、しかし忠告しただけでは狂人・忠長は止められないと判断したのか、鳥居はいきなり着物を脱ぎ始め…。
 
「御前試合の剣士になりかわり それがしがお見せつかまつる」
 
そして鳥居、まわりで怯えながら見てる家臣たちをよそに、
 
「真剣試合のもたらすものは つまるところこのようなもの」
 
なんと「ずぶぶぶぶ」という擬音とともに、事前に陰腹で斬っておいた自らの内臓を取り出して見せる鳥居!
 

「それとも殿は」

駿河五十五万石を引き換えにされても

このようなものが御覧になりたいと仰せられるか?」

 

 

そして、殿(忠長)の反応は!

 
 
 
 
 
 
 
 

ノーリアクション

 
かくして真剣による御前試合は決行されることとなり、出場剣士は殿の面前で見苦しくないように身体チェックが入ります。
その中の1人、藤木源之助。
 

片腕

 
「真剣勝負の経験がお有りのようだ」
「一度」
「これは?」
「その折に」

 
審査員、悩む。
 
「(不覚傷!このような者を殿の御前に立たせて良いものだろうか)」
「(ご家老はなぜこの男を…)」

 
そして体をチェックしているうちに…
 

オーガばりの

 
「(何たる異様な盛り上がり…)」
「藤木源之助の背面の隆り 腕一本分の働きは充分にするものと覚えたり」
 
 
 
御前試合当日。
 
「尋常ならざる領主をひととき喜ばせしめるために前代未聞の真剣試合が行なわれようとしていた」
「士(さむらい)の命は士の命ならず主君のものなれば 主君のために死場所を得ることこそ武門の誉」

 
沈痛な面持ちながら、忠長に頭を下げる家臣達の図。
 
封建社会の完成形は少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」
 
ニヤつく忠長のアップ。
 
試合開始。
「西方・藤木源之助!」
太鼓の音と共に呼び出される藤木。
それを見守る家臣たちは「(う…左腕(うで)はどうした!)」と驚きの表情。
背中の事も知らないし、まさか戦えるとは思ってないんでしょう。
しかし相手はもっと試合に向いてないのでした。
 
「お気をつけて」
謎の娘・いくに送り出され、対戦相手入場。
 

「西方・伊良子清玄(いらこ・せいげん)!」

 
なんと出てきたのは破足(片足が不自由)の剣士!しかもどうやら目も見えていない!
 
「隻腕と盲目の剣士…このような取り組みが…」
 
にらみあう両者。
 
「この取り組み、三枝どのの差配であったな」
「いかにも」
「血迷われたか」
「何と?」
「隻腕の剣士に骨を断つことはできぬ 盲目の剣士には皮を断つことすらできぬ! ならばこの勝負…」

 
言い争いを無視してなおにらみあう2人。
 
「このような武芸と呼ぶに値せぬ見せ物にてお庭先を汚したとあればいよいよもって御公儀に申し開き出来ぬ破目に陥り申す」
「否(いな)!」
「…」
「見られい 朝倉殿」

  

「不屈の精神を持った剣士にあっては

自己(おのれ)に与えられた過酷な運命(さだめ)こそ

かえってその若い闘魂(たましい)を揺さぶり ついには…」

 

ズズズズズ

 

「………!」

 


「それはおよそ一切の流派に

聞いた事も見た事もない

奇怪な構えであった」

 
いく(伊良子お付きの娘)「ああ あれこそは伊良子さま必勝の構え 無明逆流れのお姿…」
 
藤木「…怪物め!」
 

【次号へ続く】

 
 
いやー、どうですかこの異常さ。
第2話からいきなり回想シーンになるんで、最新号(第6話)の時点でもいまだに無明逆流れとやらがどんな技かは分かっておりません。
 
もちろん、回想シーンに出てくるキャラも全員異常。
藤木・伊良子の師匠・岩本虎眼はボケが進行している上に色狂い、普段は自分の娘すら認識できずに襲ったり、公衆の面前で失禁。でも人間の額に貼りつけた小豆を十文字に斬ることのできる精妙さを誇る、生まれながらに6本ある指を利用した「流れ星」と呼ばれる技を使うおじいちゃん!

そして虎眼の跡継ぎを決める為に相手として指名された双子、舟木数馬・兵馬!こいつらの登場なんか、いきなり2人並んで全裸で男娼を犯してイっちゃってるシーンです。
 
「「ぬふぅ」」
「舟木道場の兵馬数馬はその日も同時に達した」
「相手を努めた男娼の体にはいくつもの痣が残り骨を折られたものもいる」

 
イヤすぎる!
  
今はストーリー的にはその2VS2の決闘というか猟奇事件、小夜中山鎌鼬(さよのなかやまかまいたち)まで進んでおります。
 
チャンピオンREDの広告では「奇書、誕生。」とうたわれた単行本第1巻は1月22日(木)に発売!皆さん、これを読んで気になったら買ってください!アンタ、山口先生のなんなのよ!
シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)

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シグルイ 2 (チャンピオンREDコミックス)

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シグルイ 3 (チャンピオンREDコミックス)

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シグルイ 4 (チャンピオンREDコミックス)

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シグルイ 5 (チャンピオンREDコミックス)

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シグルイ 6 (チャンピオンREDコミックス)

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