さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

ヨイコノミライ(きづきあきら)

「あらすじ。トラウマ持ちの腹黒ツンデレ巨乳漫画賞ハンター女子高生(家ではメガネ)の青木杏さんが、ろくに作品も生み出せないくせにクリエイター気取りのオタクどもが群れ暮らしている高校漫研のニンゲンカンケイを真綿で締め上げるようにいじってゆく話。」 「友人に貸したところ『オタクの痛い面をわざと邪悪に描いている』と大変不評だったんですが、そのひりつく感覚こそがこの作品の醍醐味であると思うので、殺伐としたいオタクの人は是非読むといいです。『げんしけん』など華拳繍腿ですよ。」

電人xx先生が薦めてたので読みました。とりあえず1巻。
漫画研究会のオタク連中が主人公ということで『げんしけん』との比較は免れないと思いますが、まあ『げんしけん』で言えばハラグーロや朽木君みたいな連中だけしか出てこない話。しかも連中には自覚がないので自嘲するわけでもなく、オタ以外の普通の生徒には蔑まれている始末。コミカルに突っ込まれてるならともかく、ただ侮蔑の対象としてしか描かれてない。救いゼロ。電車男以降の「オタクって案外いいものだよね」みたいな風潮に冷や水をぶっかける一冊。
僕はげんしけんの8巻の帯の「オタクだから、恋をした。」という一文に違和感を覚えたりもしてたので、「いいぞ!もっとやれ!」みたいな感想を読後に覚えるはず・・・と思って買ったんですが、むしろ「やっぱりガチンコよりはファンタジーが見たいです・・・殺し合いよりはプロレスが良いです・・・」と見事に萎えさせられました。目は離せないけど、読んだ後のグッタリ感はドキュメントそのもの。
でもまあ、自分では何も創ったことがないけど批判ばっかする(でも自分ではやればできると信じてる)のとかはオタクというよりは中2病ですよね。これが中学生だったらまあ許される(大人から見ればですけど)んだろうけど、大学生だと笑えなくなるんだろうか。


あとこれはだいぶ前にも日記に書いたことあると思うんですが、僕が中学の時にですね、この漫画の女性キャラ陣(コスプレデブとか、寄せ集めっぽい設定だけ考えて満足してるオカルト少女とか)の悪い部分だけを集めたような同級生がいたんですよ。これ読んでるとその子のことを思い出して嗚咽します。
よく分かんないけどある日、
「昨日、張飛にめちゃめちゃ怒られてさー」
って話しかけられて、
「え?張飛??三国志の???」
「あ、ごめーん、俺(俺!)、父親のこと張飛って呼んでるんだわ」
みたいな会話をしたことがあります。なんで張飛って呼んでるのかとか、父親はそのことを知っているのかとかは聞けなかったです。中学生って意味わからない。今考えたらめちゃめちゃおもしろいけど当時はただただ怖かった。

ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS)

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