さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

モテキ(久保ミツロウ)

イブニングの新連載。

3.3.7ビョーシ!!』『トッキュー!!』の久保ミツロウが圧倒的熱量で放つ新連載!!
人生のどこかに訪れるらしい、異性との縁が重なる時期「モテ期」。
それが低恋愛偏差値男に突然やってきたから、さぁ大変!
世の中にまったく牙をむかないが、心に刺さる珠玉のラブストーリー!!

29歳・派遣社員・童貞ではないけど恋愛偏差値低いメガネ男子という、非常に普通といいますか親近感のある主人公が急にモテるようになる話。モテるというか今のところ「数少ない女の子の知り合いから連続で連絡が来た」ぐらいの状態。
第1話は、主人公・藤本が去年まで派遣されていた会社の女子から「ライブ行きませんか」っていうお誘いが来たとこから話が始まる。で、その子とは1年前に会社の外で会ったことあるわけですよ。
会社では地味だと思ってたけど、その女の子のほうから「フジロック行かれるって聞いたんですけど」って急に話しかけてきて、一緒に行くことになってみたら会社と違ってかわいく見えて(もちろん会社ではメガネだけどオフは非メガネというベタな展開)、野外ではしゃいでる主人公に「会社とキャラ違いますね」って言ってきたり、「ここ足元悪いので気をつけて」って手を握ってきたらその手の握り方がものすごくエロくて、「もしかしたら今日誘ってきたのは…!」ってひとりだけテンション上がってきたところでその彼女が会場で男と仲良くし始め、周りが「彼氏と仲直りしたんだね」って言ってるのを見て「フェスにおしゃれカップルで来てる連中は絶滅しろー!」と心の中で叫びながら会場から逃げる……というのが1年前の回想シーン。

そんなことがあったので警戒しながらライブに行ってみると、彼女は友達を連れてきておらず、「まさか俺と2人きりになりたかったのか」とテンション上昇。そしてライブを見ながら「この人たち、友達に勧められてマイスペースで聴いてみたら超よくって、藤本さんも好きかと思って誘いました」「(友達…?女で洋楽聴くやつなんて彼氏の影響だよな…)」
みたいな。そんな感じでいろいろあってデートはうまくいかず終了。

タイトルと設定だけ聞いたら赤松健みたいなハーレムものかと思ったけど、「非モテがハーレム寸前になるけどうまくいかずにダメな妄想&ボヤきを延々と繰り返す」みたいな漫画になりそうで楽しみです。


ふとWikipediaを見てみたら久保ミツロウって女性なんですね(デビューは久保美津子名義だったけど今は名前も変えて自画像もあえてヒゲもじゃらしい)。ライブ後に女の子が「1年前と同じバッグと靴で来やがって…もっと気合い入れて来いよ!」って独白するシーンとか、言われてみれば女性っぽい。


僕は音楽あんまり聞かないし、フェスとか行ったことないので野外で「自然すげえー!」ってテンション上がってるシーンとか「靴の中に敷き物入れとかないと足痛くなるよ」みたいなシーンで「あるある」ってなんないし、2人がPendulumのライブ見ながら「サマソニにも出るんだって」みたいな会話してるの読んでもなんとも思わないというかむしろ取り残された気分になるし、主人公が「ピエール瀧とベートーベン」のTシャツ着てるのとか気付かなかったけど、お前ら音楽大好きっ子は1話だけでも読むといいと思いますよ……(いつも野外フェスのシーズンにみんなが楽しそうなのを見て勝手に妬ましく思ってる男のボヤき)。