さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

ボーイズ・オン・ザ・ラン

見に行く予定はなかったんですが、

相沢さんの「恋愛」

映画を観ながら、叫び出したくなる衝動を何度も必死で抑えた。本気で劇場から逃げ出したくなった。「もうやめてくれ」って心の声じゃなく、実際に口に出して小さな声で呟いたし、あまりにも辛いから顔を背けて視線だけをなんとかスクリーンに向けるのが精一杯だった。本当に、もう二度と観たくない。この映画を観る必要のない人生のほうがずっと良いに決まってる。それでも人生で絶対に一度は観なきゃいけない映画だったし、たぶんこの先、俺はこの映画を何度も観るだろう。

http://d.hatena.ne.jp/osamu-teduka/20100202#1265134988


原宿くんの「いつまでもねんねぇじゃいられない」

もしこの世に「破壊していい映画館」というのがあったとしたら、自分は何のためらいもなくメチャクチャにしただろう。この映画を見るのはマジで辛すぎる。でも辛すぎるがゆえに傑作だとも思う。

http://d.hatena.ne.jp/Die_maestro_die/20100203/1265215998

この2つのエントリを見て気になり始めました。

特に相沢さんにはツイッター
テキストサイト経験者、特に男子は全員必見。やばいですよ。
あなたは観なきゃ駄目です。伊集院とマッスルを両方ちゃんと好きな人は、この映画観ないと罰が当たるレベル。観てくれなかったら、俺まっつんと絶交だから。これ本気だから。

と名指しで言われてしまい、こりゃあ見に行くしかないと。上記2ブログの感想を読むと、めちゃくちゃ見たくない!見るのが怖い!って思っちゃうんですけど、ここまで見るのが怖いってことは見なきゃいけないってことなんですよ。というわけで行ってきましたよ。

相沢さんいわく「元気なときに観たほうがいい」そうなんですが、よりによって転職活動の合間という最悪のタイミングで見ました。

しかも面接で
「技術的には問題ないけど……人間性に不安があるよね、コミュニケーション能力とか」「将来的に何がやりたいのかが見えてこない……もう31歳だけど大丈夫なの?」
って言われた30分後ぐらいに。
もうなんつうか、全身にヒビが入ってて、あとはちょっと触れるだけで粉々になりそう!慎重に扱って!っていうところにわざわざハンマーで殴られに行った感じ。どうせおれは薄っぺらだよ!

映画を見た直後はマジでしばらく頭痛がしました。たぶん映画を見てる間、映画の本筋とは関係なくいろいろ自分のトラウマを思い出しすぎたせいだと思います。そういう意味では映画を薦めてくれた相沢さんのアゴをアッパーで砕きたいし、上映してる映画館全部をまわって「こんな映画やめちゃえよ〜!」って暴れたいです。
自分は不幸中の幸いというか、「どんな怖い映画なんだ」という感じでハードルを上げまくってたおかげでギリギリ耐えられましたが、不意打ちでこんなものを見てしまった人による暴動騒ぎによって公開中止、ということは全然ありうるので早く見に行った方が良いです。

原宿くんの書いてる

主人公の田西にヒロインのちはるがしたことは本当に許されることじゃないし、「そんな女殴っちまえ!」って誰でも思う。当然だ。でもそこで「殴っちまえ!俺なら殴る!」って言えるような人間なら、この映画にそこまで魂を揺さぶられることはないんだろう。好きになった女の子がどんなに性悪で愚かだったとしても、その子のために何かできることを探してしまうような、そんなどうしようもない人間のためにこの映画はあるんじゃないか。別にそれが美しいとか立派だとか言いたいんじゃなくて、気持ち悪いことにどうしてもそうなってしまう、そういう悲哀の部分を誰かにわかって欲しいっていう、最後に別れの駅で田西がちはるに言いたかったことはそういうことなんだ。

ここが「まさに!」って感じ。仲の良い男連中を集めて、「どうしようもない女の子の為に頑張っちゃった話」、あるいは「頑張ろうと思ったけど頑張れなかった話」をいろいろ聞きたい。あと、「なんでか分かんないけど好きだったな〜」ぐらいの関係の女の子の悪口を言いたい。そんな映画です。

とにかく、自分の部屋で「なんでおれにはこんなもんが付いてるんだ」って股間を押さえながらゴロゴロ転がりながら悶絶したことのある男子は全員必見ってことですよ!