さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

奇跡のタイミングで世に出た漫画・アフタヌーン四季大賞『ZNTV東京支局』(ネタバレあり)

今月の『アフタヌーン』の付録として『四季賞ポータブル2011夏』という小冊子が付いてます。
http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/13871
四季賞っていうのは、その名の通り季節ごとにやってるアフタヌーンの新人賞で、wikipediaによると「作品のジャンル、ページ数とも無制限という自由さが特徴で、月刊青年誌の賞としては応募数も多く(1回につき150〜200本ほどの応募がある)、レベルの高い新人賞として定評を得ている」だそうです。

で、今回の『2011夏』の大賞を取った『ZNTV東京支局』がとにかくすごかったです。

ツイッターの自分のTLにおいて数人が褒めてたので、ちょっと気になって「四季賞」で検索したら絶賛の声しかなかったから読んでみたんですが、「新人のわりにレベル高い」とかじゃなく、個人的には今年読んだ全漫画の中で一番衝撃を受けました。「マジでどこかさっさと映画化に動いたほうがいいんじゃないか?」と思うぐらい。
読み切りだから単行本にもならないと思うんで、ちょっと今からでもどうにかアフタヌーンを入手して、色んな人に読んでほしいです。詳しくは下にも書きますけど、今読まないといけないやつです、これは。

簡単に序盤のネタバレありであらすじを書いてみます。(でも本当はできればこれ読まずに先に漫画読んで欲しい!)

西暦2037年。18年前に落下した隕石のせいで東京は壊滅状態。再建は諦められ、高い壁で覆われた死の都となり、首都は大阪に移転している……という世界観でのお話。
テレビ局・ZNTVの九州支部で働く記者・芹沢は、飲みの席で偉い人に蹴りを入れてしまい、「東京支社」に左遷されることに。「え、東京に支社なんかあるの?そもそもまだ人が住んでるの?」と疑問を持つ芹沢。
東京都を囲む「壁」を超える前に「中でなにがあっても知らないよ」という誓約書を書かされ、中に入るといきなり銃撃戦に巻き込まれる。
迎えに来た東京支社の人間の話だと、東京には住み慣れた街を離れづらい人の他にも、外の世界で居場所をなくした人や、無法地帯となった街で非合法な取引を行うアウトローも住み着いているとか。銃撃戦も日常茶飯事とのことで、ZNTVからも身を守るための装備が支給される。
「こんなに毎日事件が起きてるなら報道しがいがあるぞ」と張り切る芹沢だが、「あれ?外にいた時には、東京でこんなことが起きてるって聞いたことない」と気付く。
局の人間に話を聞くと、日本において東京のことは最大のトラウマであり、「なかったこと」にしたいために報道では抹殺されているらしい。
「じゃあこのテレビ局は何のために存在して、なんでわざわざ危険を犯してまでを取材しているのか」と上司に尋ねると、「意味は必ずあるはず」と。
そんな中、街で子供の遺体が発見される。東京にはアウトローの他に、隕石落下のあとに生まれた孤児もたくさん住んでおり、自力で廃材を外に売ったりして生活しているらしい。
見つかった遺体はレイプされた形跡があり、しかもその犯人は、一度は孤児たちの手によって捕まえられたもののワイロで保釈されたうえで再犯に及んだことが判明。
そこで怒りを覚えた孤児たちは犯人を拉致し、ZNTVに乗り込み、電波ジャックを敢行する。「この街で起きていることを全国に伝えろ。さもなくば……」

長くなりましたがこんな感じです。

そして、前半の「マスコミが伝えなくて、他の人にはなかったことになっているけど、どうにもならない胸糞悪い世界がある」という絶望からの、後半はTVジャックという事件を通じて「俺たちマスコミはこういう機会を待ってたぜ」と言わんばかりの局の人達の対応がすごい。マスコミは本来こうあって欲しい!という理想の姿が描かれてるんですよ。

そしてこの漫画が、原発関連や韓流関連でマスコミの隠蔽体質が叩かれてる時期に発表されてるっていうのが奇跡だと思うんですよね。この賞の締切が4月なので、震災前から描いてるはずなんですよ。全179ページっていう単行本1冊分なみのボリュームがありますし。
で、179ページあるのに、構成力と「このテーマを伝えたい!」っていう力がとにかくハンパないので一気に読めちゃうんですよね。
そして読んだ後に気づいたんですが、作者のプロフィールには「報道の現場で働いていた」とあったので色々と納得しました。
「マスコミが言ってないこともあるけど、放送には世界を変える力があるから本当のことを伝えたい!」というテーマの力と、「このテーマを読者に伝えたい!」という作者の新人らしからぬ漫画力、そして今のタイミングっていう奇跡が合わさって、とんでもない漫画になってますよ。

あと今回の四季賞谷口ジロー特別賞を取ったショートショート『FOUR SEASONS』の、「童貞にしか投げられない、48種類に変化する魔球・セックス」を会得した非モテ男子が主人公の甲子園ギャグ『魔球セックス』も良かったです。

『ZNTV東京支局』と『魔球セックス』が同時に載ってる小冊子は『四季賞ポータブル2011夏』だけ!読もう!アフタヌーン

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感想を書いてるとこをいくつか貼っておきます。

ももいろクローバーとアイドル戦国時代

という記事の「これまでアイドル興味なかった人が人生狂った感」が良かったので自分もももクロのことを書きます。
ちなみに「最近売れかけてるももクロっていうのが気になってるけど何から見ればいいか分からない」という人は、上のやつ以外だと、

という記事もおすすめ。

そんなわけで初心者向けまとめはもう既に書かれているので、僕は「プロレス・格闘技ファンの自分がももクロに興味を持ったきっかけ」という話をします。あくまで「プロレスファンはこういう入り口もあるよ」っていう程度で、「プロレスファンじゃないとももクロは楽しめないよ」って意味ではないですからね。


上で紹介したまとめ記事で画像や動画を見てもらった人は、彼女たちに対して「可愛い」とか「キャラが立ってる」とか、「ダンスが奇妙なうえに運動量が過剰」などの印象を抱いたと思いますし、そこももちろん魅力だとは思うんですが、僕が彼女たちに興味を持ち始めたのは『真夜中のハーリー&レイス』というラジオ日本の番組で「アイドル戦国時代」についての話を聞いたことがきっかけでした。
『ハーリー&レイス』はプロレス&格闘技実況をやっている清野アナがパーソナリティで、プロレスラーやサブカル文化人をゲストに、主にプロレスの話をする超楽しい番組です。(ちなみに今週のゲストが「東京都北区赤羽清野とおる先生、来週が「アメトーク」などでおなじみの加地倫三プロデューサー(テレビ朝日)なので単なるプロレス番組じゃないことがわかってもらえるはず)

で、その『ハーリー&レイス』で、ちょうど1年前、昨年8月31日の回ゲストが吉田豪さんだったんですよ。そこで「プロレス的なものの見方」という話題から「最近のアイドルシーンは戦国時代で大変なことになってる」「その中でももいろクローバーっていうグループがやばい」っていうのを大変分かりやすく話してくれてて、僕はそれを聞いて「これは面白そう」って思って色々調べるようになったので、その吉田さんのトークを一部書き起こしてみたいと思います。

清野「最近だと『プロレスと一番ダブる』っていうのはなんですかね?」
吉田「ちょうど昨日、SKEvsももいろクローバーvsスマイレージっていう戦い(アイドルユニットサマーフェスティバル2010)を見て。ガチでしたねー。
ずっとSKE推してた人間はガッツリ凹んでて、『高田vsヒクソン以来のショックですよ……こんなショックな事はない』みたいな。僕ら客観的に見てる側は大喜びしてて『いやー今日のガチ楽しかった』って」

吉田「SKEっていうのは完全に戦闘集団してアピールされてるわけですよ、BUBKAとかで。全てを敵と認識して、敵に勝つために鍛えられてきたヤツらとしてやってたんですけど、それがももクロに完敗したんですよ。
ももクロってのは、『怪盗少女』の動画を見てほしいんですけど、女子プロとか見てる人も完全にハマると思いますよ。身体能力というか、過剰な動きだけでもすごいんですけど、それが(SKEを)食いに来たりとか、スマイレージっていうハロプロの王道が、完全な王道の強さを見せつけたんですよ。東京ドームに初めて全日本が来た時と同じぐらいの、三沢(光晴)と小川(直也)が絡んだ時の三沢の凄さみたいな。『すげー、全然ガチでもやれる、この人たち!』みたいなものを見せつけたんですよ。ポテンシャルが圧倒的に違うっていう。
SKEってのはAKBの戦闘集団バージョンなんですけど、それに圧勝できるだけのポテンシャルを(ももクロが)持ってるんですよ」

吉田「『俺たちが応援してたのは高田延彦だったのかもしれない』ってSKE側が言い出して。ずっと『Uインター最強』って言ってたけどそれが崩れたみたいな」

まずここら辺までがラジオ本編での内容でした。僕はアイドル界の現状には詳しくなかったんですが、

  • 複数のアイドルが出るイベントがあって、その中でどうやら「ももクロ」っていう運動能力が凄い子達が目立ってたらしいこと。
  • 大手であるハロプロスマイレージも、王道パフォーマンスを見せつけたらしいこと。
  • “戦闘集団”として売っていたSKEは、ファンが凹むぐらいに差をつけられたらしいこと。

が分かりました。今は複数のアイドルが見比べられて、それぞれのファンもそれを戦いに見立ててるんだな、アイドル界っていまこんなことになってるのか!ってことが分かって、すげー面白かったです。
続いてポッドキャストではそこら辺をさらに掘り下げてました。

吉田「今回のももクロvsSKEvsスマイレージの話をまだしますけどね、何が面白いかっていうと、ももいろクローバースマイレージって、マネージャーがプロレスオタなんですよ。だからプロレス心があって、こういうような4つのグループが出るところは戦いだって概念があるわけですよ。交流戦じゃなくて対抗戦だっていう概念で望んでるわけですよ。潰し合いだ、的な」
清野「なるほど、『光を消せ』みたいな」
吉田「ところがSKEはそれを分かってなかったんですよね。交流の場で、シングル曲をアピールしようみたいな、それだけで来ちゃってて、AKBのカバーとかしてアピールしようとか……違うんですよ。潰し合いで来てるほうが勝っちゃうんですよ」
清野「ああー」

吉田「面白いことになってる。かつてハロプロが実力測定の場に出る事ってなかったわけですよ。『うちは別格なんで鎖国して、メジャーなんで交流しませんよ』でやってきたのが、当然向こうもそうは言ってられない状態になってきて、AKBがこんだけデカくなってきて絡まざるを得ない状況になり始めた今が一番面白いんですよ。対抗戦黎明期みたいな。
昨日のももクロFMWに乗り込んだブル中野的っていうか、『私たちのライブ見たいんだったらこっち来いや』的な爪痕がガッツリ残ったんですよ」
清野「すごい歴史的な日だったんですね、昨日は」

吉田「良かったですよ。だから最近交流戦が始まってるんですよね。交流戦にメジャーが混ざり始めてるのが今の段階なんですよ。24時間テレビで、AKBとモーニング娘。が絡んだこともあったんですけど、それ見ても『プロレスだ』と思ったんですよ。モーニング娘。はやっぱりデカいんですよね。身長的にもデカくて、キャリアがあるから安定感もあって、正直モーニング娘。なんか今まったく興味ないんですけど、ああやって並ぶと全女的なものがあるんですよ。JWPなんですよAKBが。ちっちゃくて可愛いし良く出来てんだけど、アイドルとしての可能性は絶対そっちのが高いんだけど、でもやっぱ全女すげえな!みたいになっちゃうんですよね」

吉田「戦いが始まったんですよ、ついに。アイドル戦国時代って言って、そこでマイクで上手いこと言えるグループも限られてるんですよね。昨日の会見でもそこで挑戦的なことを言えたのがやっぱりももクロスマイレージだけで。スマイレージも初めてハロプロが作った対抗戦要員だったんですよ。外に打って出れるグループを初めて作って、他はAKB無視してたのにAKBの名前をことさらに口に出して『AKBに負けたくない』とか。過剰にそういうのを意識して作ったグループなんですよ」
清野「めちゃくちゃ戦略的に練られた集団なんですね」

マネージャーがプロレスオタだから、こういうフェス的な場所を戦いと捉えてるっていうのはめちゃくちゃ刺激的です。
少し前の、ももいろクローバー神聖かまってちゃんのツーマンライブ「ももクロとかまってちゃん」でも、ももクロは「いきなり激しい曲ばかり7曲連続、休憩なしで踊る」っていう、凄いことに初挑戦してるんですよね。自分らのライブでもせいぜい続けて歌うのは3曲前後なのに。そのうえで「私たちのことを知ってる人は手を挙げて!」「今、手を挙げなかった人も、次は絶対挙げさせてあげるよ!」と宣戦布告っていう。完全にかまってちゃんのファンを持って帰る気マンマン。これが「潰し合いモード」ってことなんでしょうね。

さらに、マネージャーがプロレスオタ過ぎると、「対抗戦に強い」以外にもこんな特徴があるという話も。

吉田「ももいろクローバーっていうのは完全なプヲタなんですよ、マネージャーが。だからシリーズのタイトルを『新春ジャイアントシリーズ』とか、『サマーファイトシリーズ』とか付けて、新日本と全日本のロゴマークのパロディでマーク作ったりとか、メジャーデビューをこないだした時の記者会見っていうのを、わざわざホテル借りて、全員ジャージで来て、辻(よしなり)アナ呼んでコールさせて、公開の体重測定やって、みたいな。どうかしてるんですよ。どこに向けて電波出してんだ?ってことやってんですよ」
清野「やり過ぎな感じもしますけど……」
吉田「やり過ぎです。誰が拾うんだって話じゃないですか。拾えるのは僕らぐらいですよ。一部の、プロレスを通ったアイドルオタしか拾えないから」

あとプロレスネタだけじゃなくって、まあレアなやつだとは思うんですけど、ライブでの寸劇でキン肉マンネタもやらされてたらしいです。

この辺は分かる人だけ分かればいいと思うし、「プロレスが分からないからももクロが100パー楽しめなくて悲しい」って人が出てこないことを祈るばかり。非プロレスファンもあんまり深く考えず、単純に楽しんで欲しいです。
とはいえ、矛盾するようなこと言いますけど、「知識ゼロのままで見ても単純にすごさが伝わるけど、余計な知識が知れば知るほどハマる」というのも実にプロレス的なので、ももクロきっかけでプロレスファン増えないかなー、っていうのもちょっと思ってます。

ボーイズ・オン・ザ・ラン

見に行く予定はなかったんですが、

相沢さんの「恋愛」

映画を観ながら、叫び出したくなる衝動を何度も必死で抑えた。本気で劇場から逃げ出したくなった。「もうやめてくれ」って心の声じゃなく、実際に口に出して小さな声で呟いたし、あまりにも辛いから顔を背けて視線だけをなんとかスクリーンに向けるのが精一杯だった。本当に、もう二度と観たくない。この映画を観る必要のない人生のほうがずっと良いに決まってる。それでも人生で絶対に一度は観なきゃいけない映画だったし、たぶんこの先、俺はこの映画を何度も観るだろう。

http://d.hatena.ne.jp/osamu-teduka/20100202#1265134988


原宿くんの「いつまでもねんねぇじゃいられない」

もしこの世に「破壊していい映画館」というのがあったとしたら、自分は何のためらいもなくメチャクチャにしただろう。この映画を見るのはマジで辛すぎる。でも辛すぎるがゆえに傑作だとも思う。

http://d.hatena.ne.jp/Die_maestro_die/20100203/1265215998

この2つのエントリを見て気になり始めました。

特に相沢さんにはツイッター
テキストサイト経験者、特に男子は全員必見。やばいですよ。
あなたは観なきゃ駄目です。伊集院とマッスルを両方ちゃんと好きな人は、この映画観ないと罰が当たるレベル。観てくれなかったら、俺まっつんと絶交だから。これ本気だから。

と名指しで言われてしまい、こりゃあ見に行くしかないと。上記2ブログの感想を読むと、めちゃくちゃ見たくない!見るのが怖い!って思っちゃうんですけど、ここまで見るのが怖いってことは見なきゃいけないってことなんですよ。というわけで行ってきましたよ。

相沢さんいわく「元気なときに観たほうがいい」そうなんですが、よりによって転職活動の合間という最悪のタイミングで見ました。

しかも面接で
「技術的には問題ないけど……人間性に不安があるよね、コミュニケーション能力とか」「将来的に何がやりたいのかが見えてこない……もう31歳だけど大丈夫なの?」
って言われた30分後ぐらいに。
もうなんつうか、全身にヒビが入ってて、あとはちょっと触れるだけで粉々になりそう!慎重に扱って!っていうところにわざわざハンマーで殴られに行った感じ。どうせおれは薄っぺらだよ!

映画を見た直後はマジでしばらく頭痛がしました。たぶん映画を見てる間、映画の本筋とは関係なくいろいろ自分のトラウマを思い出しすぎたせいだと思います。そういう意味では映画を薦めてくれた相沢さんのアゴをアッパーで砕きたいし、上映してる映画館全部をまわって「こんな映画やめちゃえよ〜!」って暴れたいです。
自分は不幸中の幸いというか、「どんな怖い映画なんだ」という感じでハードルを上げまくってたおかげでギリギリ耐えられましたが、不意打ちでこんなものを見てしまった人による暴動騒ぎによって公開中止、ということは全然ありうるので早く見に行った方が良いです。

原宿くんの書いてる

主人公の田西にヒロインのちはるがしたことは本当に許されることじゃないし、「そんな女殴っちまえ!」って誰でも思う。当然だ。でもそこで「殴っちまえ!俺なら殴る!」って言えるような人間なら、この映画にそこまで魂を揺さぶられることはないんだろう。好きになった女の子がどんなに性悪で愚かだったとしても、その子のために何かできることを探してしまうような、そんなどうしようもない人間のためにこの映画はあるんじゃないか。別にそれが美しいとか立派だとか言いたいんじゃなくて、気持ち悪いことにどうしてもそうなってしまう、そういう悲哀の部分を誰かにわかって欲しいっていう、最後に別れの駅で田西がちはるに言いたかったことはそういうことなんだ。

ここが「まさに!」って感じ。仲の良い男連中を集めて、「どうしようもない女の子の為に頑張っちゃった話」、あるいは「頑張ろうと思ったけど頑張れなかった話」をいろいろ聞きたい。あと、「なんでか分かんないけど好きだったな〜」ぐらいの関係の女の子の悪口を言いたい。そんな映画です。

とにかく、自分の部屋で「なんでおれにはこんなもんが付いてるんだ」って股間を押さえながらゴロゴロ転がりながら悶絶したことのある男子は全員必見ってことですよ!

「侍戦隊シンケンジャー」終盤の展開が神すぎる

いやー、侍戦隊シンケンジャー面白いですわ。来週で終わっちゃうけど。
今までは朝起きれたときに見る程度だったんですけど、物語が終盤に近づくにつれ「最近やばい」っていう話をいろんな人から聞いたので、ちゃんと見はじめよう、と思いまして。その見始めた回からがまさに神展開でした。

シンケンジャーって、「殿」ことシンケンレッド(志葉丈瑠)と、侍であるそれ以外のメンバーの主従関係がハッキリしてる、っていうのが今までの戦隊との大きな違いで、そこが物語の中心になってるんですよ。
メンバーも最初から「お仕えします」ってヤツもいれば、「殿っていうだけでなんで仕えなきゃいけないんだ!あんなやつ認めないぜ」てのもいたり、殿は殿で「昔からの決まりというだけで侍たちに命がけで戦わせるわけには…」とかいろいろ悩んでた中で、1年かけて「いろいろあったけどやっぱりみんな殿が好きだぜ!」ていうのを綿密に作ってきたんですね。

で、44話のラストで殿が死にかけるんですよ。レッドの家系である志葉家にしか使えない「封印の文字」っていうのが敵のラスボスに有効な手段だから、「まずあいつからやっとこう」的な感じで。

死にかけた殿は一時戦線離脱、レッドを欠いたまま戦ってシンケンジャー大ピンチ!っていうところで……ここでなぜかレッドが助けに来て勝利。あれ?殿は死にかけてるはずでは?ってメンバーも視聴者も混乱するんですが、そのレッドはよく見ると体つきが女性的で、スーツにスカートっぽいのもついてる。でも志波家にしか使えない火の力も使えてるから偽物のはずがない。
「お前、誰なんだよ!」ってみんなが思ってるとこで従者っぽい人が出てきて
「無礼者、この御方は志葉家18代目当主・志葉薫様にあらせられる!姫の御前である!控えろ!」
そこで謎のレッドの変身が解けると、なんと薫様とやらは女!しかも若いというかどう見ても小娘!
一同「は!?」っていうとこで、次回予告が入り、次回サブタイトルが「影武者」!

衝撃を受けたので、慌ててシンケンジャー公式BBSを見ると「ショックです」ていう書き込み多数。ちびっ子も親御さん達も動揺しています。インサイターの真実さんのツイッターでのこのつぶやきが象徴的だったので紹介。

毎週録画したシンケンジャーを繰り返し見ている3歳の息子が、昨日の回を見たいとは言わない。新しいシンケンレッドの登場に混乱している模様。

大人は距離を置いて「すごい展開だ!」って面白がって見れるけど、子供はそんなん関係ないんでしょうね。

たまに見てる程度の僕でも「!?」ってなったんで、ちゃんと毎週リアルタイムで見てる人たちのショックは計り知れないものがあるというのは想像できます。今まで殿が自分の立場に悩んでることをたまに漏らすという伏線もあったみたいですし。

そういうわけで、この次の回からはちゃんと録画して見るようになったんですが、やっぱ面白いです。
要するに、姫こと薫は「先代シンケンジャーが壊滅した時にまだ生まれてなかったんだけど、『封印の文字』を会得するまで影武者を立てて生きてきたけど、もう会得したから表に出てきた」みたいな感じ。

侍達は、やっと殿と通じ合えたのに正統な当主である姫に仕えなくちゃいけないわけなんですが、作中でメンバーも「あいつ(姫)が嫌なヤツなら話は簡単なのにな」って言ってた通り、ここで姫がダメな子なら「お前より殿に着いて行く」で終わるのに、姫がえらくまともで凛々しいんですよ。
姫の従者の丹波ってヤツは「影武者なんかほっといて姫の言う事聞けや侍ども!」みたいな態度なんだけど、姫がちゃんとそれをビシっと叱るし、「自分の登場で丈瑠と仲間の絆が悪化した」っていうのも理解して、後悔もしてるっていう。そこら辺が上手いなーと思います。
薫役の夏居瑠奈っていう女の子は14歳(戦隊史上初の女性レッドにして史上最年少・初の平成生まれレッド)なんですが、えらく演技がうまくて説得力がありますし。前述の通り、敵のラスボスに有効な「封印の文字」っていう必殺技は姫しか使えないっていうのもありますし、「モヤモヤするけど、侍なんだからこの子についていかざるを得ないな」って思っちゃう。

そして元・殿こと丈瑠は「(自分には)びっくりするほど何もないな…」つって独りぼっちで川原で鬱になった後、敵軍にいるライバルである不破十蔵と対決。この十蔵ってのは「お前と斬り合うのが一番の快感だぜ」みたいなやつで、丈瑠はそれに釣られて「俺にはもう剣しかない」って感じでダークサイドに堕ちそうになっちゃうっていう展開。暗いしBLっぽいので完全に子供向けじゃないですよ。一週まるまるかけてずーっと2人でチャンバラしてたのもすごい。変身しない状態で馬の上で斬り合いとかしてたので、わざわざこのために練習したんでしょう、そこもすごい。

なんだかんだあって丈瑠は助かるんだけど、でも当主に戻れるわけじゃないので、丈瑠ひとりぼっち問題は解決してない中、姫レッド+他のメンバーは敵のラスボスである血祭ドウコクと対決します。そこで姫は「封印の文字」を使うんだけど、ラスボスは幹部を取り込んで体質が変わってたせいで、効果が中途半端でした。

封印こそされなかったもののそれなりにダメージは受けたラスボスは一旦退散。姫もケガしたのでシンケンジャーも本拠地へもどるんですが、そこで姫は寝たきりのままで「影は居るか」と丈瑠を呼んで2人きりで話します。

姫「お前に会う前からどんな人間か分かっていた。私と同じように独りぼっちであろうと。自分を偽れば人は独りになるしかない」
丈瑠「はい。ただ…それでも一緒にいてくれるものはいます」
姫「あの侍たちだろう。私もここへ来て分かった。自分だけで家を守り、封印までなどと……間違いであった。独りでは駄目だ……」
丈瑠「俺も、やっとそう思えるように……」
姫が「……私に考えがある」

その後、広間に最終決戦前の全員集合。そこでなぜか、丈瑠が上座に座るんですね。当社しか座れない位置に。丹波が「影ごときがなんでそこに座るんだ!」って怒るんだけど、そこで姫が家系図の巻物を広げる。すると家系図には「薫」の下に線が繋がって「丈瑠」の文字が。

姫「私の養子にした」。
バーン!

姫「封印の文字は使えなくても、力は十分だ。年上だろうと血は繋がってなかろうと、この者が19代目当主!一同控えろ!」
他のメンバーは「ははぁー!」このときの一同の嬉しそうな顔!
そして丹波だけ悔しそう!痛快すぎる!
全部丸く収まった!

丹波「して殿、封印の文字が効かない今、何か策は?」
殿「策ならある。力づくだ」。
どーん!

そして「久々の殿様ご出陣だ」っていうところで全員が名乗り付き変身したとこで次回最終回へ続く。たまらん。いやー、来週最終回なのが実に惜しい!

『オフ喜利8』開催&一般参加のお知らせ

オフ喜利8』
【場所】新宿・ロフトプラスワン
【日程】2010年3月13日(土)
【開場】12:00
【開演】13:00

オフ喜利、8度目の本大会が開催決定いたしました。さしあたって日時だけ。
場所はいつもと同じですが、時間がお昼からなので注意してください。チケット発売日、参加者などは追ってお知らせいたします。

http://offgiri.jugem.jp/?eid=82
また、前回同様、一般参加及びそのWEB予選を開催いたします。
詳細は上記リンク先を読んで、興味のある方は是非参加してみてください。

オフ喜利DVD出るよー

http://offgiri.jugem.jp/?eid=77
上の公式ブログの記事通り、オフ喜利DVDがロフトのレーベルから出ます!価格は980円(送料込み)!

ロフト『公式海賊版』販売サイト
http://www.loft-prj.co.jp/kaizoku/

商品個別ページ
http://loft-boot.shop-pro.jp/?pid=17846164


【収録内容】「人気サイトやブログの管理人はオフラインでも本当に面白いのか」を大喜利で検証する!今やロフトプラスワンを代表する大喜利イベントとなった「オフ喜利」が待望のDVD化!
オフ喜利5」(2008年7月)、「オフ喜利F」(2008年12月)の2大会を1本にまとめて収録したお得な内容です。

【出演】
オフ喜利5』 館長/ゴトウ/藤崎/コウイチ・ヤング/寺西チョリ蔵/岩倉/三村/ヂル/ヤスノリ/原宿/たけし/松岡哲人
オフ喜利F』 館長/ゴトウ/藤崎/岩倉/岩田一矢/ヤスノリ/原宿/たけし/上田啓太/相沢/加藤/地獄のミサワ

【司会】麻草郁 
【アシスタント】真一涼 

※本人の意向により、コウイチ、ミサワの回答は全てカットされております。ご了承ください。

約6時間ある素材を2時間弱にまとめるにあたり、著作権的にアレなとこはもちろん、シンキングタイムや、あんまりウケてない部分はカットしました。だからずーっとサビみたいなものなので、回答が「三振かホームランか」というタイプの人はホームランのとこしか収録されてないのでちょっとズルいです。
僕はこの世で一番のオフ喜利大好きっ子なので、みんなが黙って考えてる画や、思いっきりスベってるとこ含めて楽しめるので、動画や歌はともかくそれ以外は全部収録しても良いと思ってるのですが、なにせ今回はロフトのサイトで販売されるということで、オフ喜利の存在を全然知らない人が買う可能性もあるわけです。他にも興味はあるけど距離やスケジュールの都合でイベントに来られなかった人にも買ってもらえるかもしれません。
正直、ライブだと面白かった部分もDVDでは伝わらないことも多いので、ノーカット版だと初見の人が「あれ?こんなもん?」と感じる可能性も大!というわけで、映像で見ても分かりやすくて面白いとこだけを集めているので、「ベスト」であり「入門編」という感じです。
会場で見たことある人も、オフ喜利なんて知らないという方も、980円という値段分は確実に楽しめると思いますので、ぜひとも一家に一枚ご購入をよろしくお願いいたします!あとたぶん3月ぐらいにやる次回オフ喜利でも会場売りやります!

東スポプロレス大賞'09・ベストバウト、葛西純vs伊東竜二を見よ!

祝、葛西純vs伊東竜二東スポプロレス大賞'09・ベストバウト受賞!(ソースは東スポ携帯サイト)

(上の凄まじい画像は葛西純ファンサイト・「MONKEYTRAP−さるわなー」様より拝借)
いやー、この試合はサムライでしか見てないんですが、ホント素晴らしかった。これ見て何も感じないやつはED!

なんていうんですかね、僕の周りには、このお笑い番組が面白かったとか、あのドキュメントが良かったとか、自分と同じものを見て笑ったり感動できたりっていう人はわりといるんですよ。だけど、ことプロレスに関しては「プロレス(笑)」っていう人ばっかりなのが不思議でしょうがないんです。「面白いもの好きなはずなのに、なんでプロレス見ないの?」と。
まあ地上波でやってるプロレスは良い試合じゃないことも多いし、プロレスってのは歴史を知らないと面白さが半減するジャンルなんで、入り口は異常に狭いんで、しょうがない部分は多々あるのも承知してるんですけど。
ぶっちゃけ「非プロレスファンにも胸を張って勧められる」っていう試合は意外と少ないのではないかと思ってますが、そんな人たちにも葛西vs伊東は響くと思うので、いろんな人に見て欲しい。下に動画貼っておくので、暇なときにでも見てくださいよ。これ見て何も思わないやつはED!(2回目)
これだけで「プロレス面白い」ってなるとは思いませんが(そもそもプロレスの中の面白さって何百通りもあるし)、せめて「プロレスも悪いものじゃないな」って思って欲しいです。

2人で一騎打ちするために会社を辞めたり、業界のタブーを破った発言までしてるのにそれでもスレ違い続ける複雑な運命から、ケガで残された選手生命がなくなったことによる電撃的な試合決定まで、ほぼ煽りVTRにまとめてあるから初見の人でも気持ちを入れて見れるし、観客の想像を超えた命を削る試合ぶり、衝撃のラスト、試合後のマイクアピールまでのパッケージとしての完成度が異常なんですよ。その辺の映画を軽く超えている。ただし、デスマッチなので血が苦手な人だけはちょっとお勧めしません。動画サイトで見るぶんには劣化してるとはいえ、肉体をガラスの破片やカミソリで切り刻むような試合なので。

プロレス否定派の人は「プロレスはインチキだからつまんない」って言うけど、まだそんなこと言ってるのかと。
プロレスは誰がなんと言おうと真剣勝負ですけど、仮に、あくまで仮にですよ、プロレスが全部結果が決まってるものだとしましょう。で、例えば会社でプロレスのストーリーを決める会議があって、ある程度ベテランの人が「君よりも若手のA君のほうが人気あるし、ちょっとA君に負けてくれない?」って言われたとして、ベテランの人は「はい分かりましたー」って軽く負けられないですよ。負けたら悔しいはずですよ。
勝ち負けってのは見てる人が納得しないといけないんです。極端な話、いくらジャニーズ的な若手がいたとしても、売り出したいからってデビュー戦でチャンピオンに勝ったら客席はシラけるでしょう?もしあなたがストーリーを自由に決めていいって言われても、そんな話作らないでしょ?そういう意味で、試合の勝ち負けってのは、スポーツ・格闘技的な能力での説得力、プロレス的な上手さ、他にも集客力、顔、華、カリスマ性、その後のストーリー、偉い人に気に入られてるかどうか、そういうの全部ひっくるめた上でのものなわけです。だからプロレスで負けるっていうのは、人間として総合力で負けてるということですよ。格闘技なんて技術さえ磨けば勝てるわけですから、だから仮に、あくまで仮に!プロレスの結果が全部決まってるものだとしても、プロレスのほうが何百倍も難しいでしょうし、プロレスのストーリーとか、勝って嬉しい・負けて悔しい気持ちとかは全部本物なんです。
それと全く同じ意味で、伊東と葛西の「2人ですごい試合やろう」って気持ちも本物だし、流れた血や汗も本物だし、2人が命を削ったことによって観客が受け取った何かも本物だし、試合後に「これで終わりじゃねえ」って言ってるのも、「大した金を稼いでるわけでもねえ」って言ったのときの気持ちも全部本物なんですよ!

とハードルを上げきったところで、大日本プロレス・2009年11月20日(金)後楽園ホール大会メインイベント、カミソリ十字架ボード+αデスマッチ(30分1本勝負) 伊東竜二vs葛西純ニコニコ動画ですが見てみてください。最初の煽りVだけでもいいので是非!

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一応YouTube版も。