さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

春一番とゆでたまごの九死に一生スペシャル

携帯サイト『スカパー バトルLIFE!』におけるゆでたまご先生のトーク連載『肉處 しま田』が3回目に突入。甲本ヒロト美濃輪育久に続くゲストは春一番。前の2人がゆで先生に匹敵するピュア度・バカ度だったので、ちょっとゲストとして見劣りするかなーとか思ってたけど、内容的には一番濃いかも。

バカ話もしてたんだけど*1、春さんの3ヵ月半に渡る入院話がとにかくすごかった。
入院の原因は腎不全なんだけど、腎臓を悪くした大元の原因が乾癬(かんせん)っていう皮膚の病気で。その乾癬の薬を飲むと免疫力が下がって風邪とか引きやすくなりますよ、って医者に言われてた、と。そんで「それぐらいなら別に・・・」と思って飲んでたら確かに皮膚のブツブツは消えたんだけど、すぐ疲れたり眠くなったり、金玉が氷嚢ぐらいに腫れ上がったりしたり、39〜40度の熱が1ヶ月続いたりしたんだって。そんで車椅子で乾癬の薬を出してくれた先生のところに行ったら「あの薬は確かに腎臓によくないんだよねえ」。ひどすぎる。「ぶっ飛ばそうと思った」けど弱ってるから何もできず。

春:要はその薬を飲んでるんで抵抗力が弱まってるんで、普通の人はそのへんにある雑菌とかがついてもなんともない、それこそ赤ちゃんでも大丈夫な菌があるんですけど。抵抗力がないもんだからその菌で肺に膿が溜まって・・・。
―――じゃあすべて乾癬ありきで始まっているんですね。
春:そうですね。
―――なんで乾癬になっちゃったんですか?
春:原因はあれですよ、『お笑いウルトラクイズ』でウイリー・ウイリアムスと闘ったときにカレー粉プールに落とされて全身カレー粉まみれになったんですよ。で、まだ体のカレー粉を落としきってない時に『金粉ダジャレマラソン』ってのがあったんで、金粉を頭から被って。それがきっかけで全身の皮膚がブワーッってなっちゃったんですよ・・・。

以前、伊集院光が「あの番組は、サメがいる海に落としたりとか、バスに閉じ込めて段々と海に沈めていったりとか、本気で芸人を殺そうとしているのがすごい」という話をしてたんだけど、金粉とカレー粉みたいな地味なゲームが原因で死にかけることもあるんだなあ・・・。

そして春さんは幻覚を見るようになったり(ゆで先生がラーメン屋を始めたという幻覚を現実と勘違いして他の友達に話したりもしたらしい)、「次の手術はもう耐えられないんじゃないか」っていうレベルまでに体が弱って、ついにICU(集中治療室)へ。

医者が「もう助けられない」「誰か会わせたい人がいたら今のうちに・・・」と言い出したので、そこで春さんの奥さんが呼んできたのはなんと・・・アントニオ猪木!!!

春:そしたらドカーンって数値も全部元に戻っちゃって(笑)。
ゆで:きましたね(笑)。

いい話!ずっと子供の頃から憧れてマネしてた、世界的な知名度のスーパースターが死に際(死んでないけど)に見舞いに来てくれるなんて・・・。しかもそれで元気になるなんて・・・。まあ、この対談の中でゆで先生も言ってたんですが、「ダーッ!」と「道」の朗読を流行らせたのは春さんがモノマネしたのがきっかけだったりもするので、それぐらいはしてもいいはずですよね。

―――通常、集中治療室っていうのは面会謝絶ですよね?
春:ええ。でもその時は「死ぬかもしれない」じゃなくて「死ぬから」って言われたらしいんですよ。最後ってことで特別に入れてもらったんですよ。
ゆで:紙の帽子みたいなのを被って?
春:ええ、これもカミさんに聞いたんですけど、猪木さんが使い捨てのエプロンをして、靴を履き替えて、手を消毒して給食当番みたいな帽子を被って。
―――猪木さんが入って来られたときに意識はあるんですか?
春:そこだけ覚えてるんですよ!カミさんに「今日はスペシャルゲストが来るから」とか言われて、「もういいよ、なんの検査だよ・・・?」とかそんなことを言ったらしいんです。そしたら「猪木さんが来るんだよ」って言うんで、「こんなとこ来るわけねえじゃんよ・・・」って答えたら「ホントだよ」って言うんで、じゃあそうなのかなと思って、そこで俺、看護婦さんを集めて前説をしたらしいんですよ。
ゆで:無意識の状態で前説を(笑)。なんて?
春:「今からすごいビッグな人が来るけど、ミーハーな気分で写真とかサインとかねだるなよ!!」って言ったらしいんですよ。
ゆで:くれぐれも失礼のないように、と(笑)。

すげーすげー。病院で「あの人がこんなとこ来るわけないじゃんよ」って一度ぐらい言ってみたいですよね。しかもその相手がホントに来てくれるっていう。

ゆで:で、猪木さんが来た。
春:来てくれて、10分ぐらいずっと手を握ってくれて・・・。
ゆで:何を話しました?
春:下ネタばっかりしゃべってたね。「可愛い看護婦さんはいるかい?」「11階にいましたねえ」「なんだ11人もいるのか!」って、会話が噛みあってないんですよ。でも同じとこで笑ってるんですね。
ゆで:その会話も全部覚えてるわけですか。
春:そうですね。で、最後に「元気になったら一杯やろうぜ。今度来る時は一杯やろうぜ。今度来る時は一升瓶もってくるから」って。しかもICUなのに猪木さんのケータイが鳴っちゃって。
ゆで:電源を切ってなかったんですか(笑)。
春:でまた、その電話に出ちゃうんですよ、猪木さん!あんなの許されるのアントンだけですよ(笑)。
ゆで:誰も注意できない(笑)。

猪木、イメージ通りで最高!前説聞かされてる看護婦や集中治療室なのに携帯で話されてる医者とかの表情とか心境とかを想像したらおもしろくてしょうがない。どう考えてもコント。

まあ猪木さんが来た瞬間から、それまで寝たきりだった患者が飛び起きて「会長!会長!喝入れてください!」って言ってたらしいんで、そりゃ医者も黙るよなあ・・・。


そうして三途の川を戻ってきた春さんは次の日から普通に話せるようになり、今では猪木さんとちょくちょく一緒に酒を飲んだりカラオケに行ったりしてるそうです。しかも春さんが会う度に「ウチ、貧乏なんです」って言ってたせいで(芸能界長期離脱してたからね)、猪木さんが「誰かコイツに仕事やれよ」って言ってるせいで仕事増えたんだって。まさか“熊殺し”ウイリーに突き飛ばされてカレー粉まみれになったことが原因で、死にかけたと思ったら最終的にはそんなことになるとは・・・。人生おもろすぎる。


おまけ:

春:でもたまごさんも死にかけたことありますよね。
ゆで:俺、死にかけたっけ・・・?
春:ほら、タクシーでウンコ漏らして慌ててお金を払って立ち去ろうとしたら、そのタクシーに轢かれたっていう(笑)。
ゆで:そうそうそう(笑)。前から渡ろうとしたらドンって当てられて、その瞬間漏らしてない残りもブリブリって・・・ひどいもんですよ。

芸人を超える凄絶エピソード。

*1:「料理を作ったらバター1人前なのに4人分入れちゃって、でもそれをたまごさんが『美味い!美味い!』って食べてたので、『どこがグルマンくんだ!』と思いましたね(笑)」とか