さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

俺内ドラマアワード2006『黒い太陽』(テレビ朝日)

あらすじ
「黒くなれ!お前は黒い太陽となるんだ!」
裏世界・キャバクラを舞台に純真無垢な青年、立花篤(永井大)が挫折と再起を繰り返しながら「黒く」成長していく本格ドラマが遂にDVD化!三兆円産業の頂点に君臨する風俗王を目指した男が見たものとは!?

アワード2006とかいっても、今年はドラマこれしか見てないんですけども。しかもリアルタイムじゃなくて、全話が放映された後に後追いで見た。でも、1話を見たら続きが気になりまくったので2日間で一気に見たよ!1.5倍速で!その後は人に薦めまくり、人に貸して同時に見ながらメッセンジャーとかで感想聞くのが楽しかった。そんなドラマ。倉科作品をはじめとする水商売モノにハマったきっかけでもあります。

『黒い太陽』のここがすごい・その1 とにかく裸が出てくる

とにかく裸、そしてキャバクラもの、と聞くとセクシータレントが出てくるのを想像するかと思いますが、そうではありません。

いまや3兆円産業といわれる風俗業界。(中略)主演は永井大。4月期には「7人の女弁護士」(テレビ朝日系)に出演し、ダイエット応援番組「ミラクル・シェイプ」(日本テレビ系)では司会も務めるなど、多才ぶりを発揮している。甘いマスクと鍛え上げられたボディー、特技の空手は国体5位の実績を持つ。

  • ドラマ記者会見での滝沢沙織(性悪キャバ嬢役)コメント

「全体のみどころとしては、立花さん(永井)が脱ぐシーンがあるんですが、そこがみどころになるんじゃないかなと思います(笑)。」

「男性はきれいな女性を、女性は毎回スッポンポンになる永井君を楽しみにしていてください(笑)。」

  • amazonカスタマーレビュー

見どころは、永井君の鍛えられた肉体美♪オールヌードも何度も拝めて、生唾ものです。それ目当てに購入される方も多いのでは?

「毎回スッポンポンになる永井君」。おもしろい。そんな枕詞なかなかないよ!まあ実際、毎回すっぽんぽんです。朝起きたら裸、キャバ嬢にいじめられて裸、ベッドシーンで裸、政財界の大物に「脱げ」と命令されて裸、みたいな。おまけに毎回のエンディングテーマ時も永井大のシャワーシーン。
井上和香酒井若菜杏さゆり等のメジャーグラビア組、着エロのかでなれおん、そしてAV女優の涼果りんを差し置いて、完全に永井大がこのドラマのお色気担当。
ちなみにテレ朝の同じ時間枠内におけるこのドラマの視聴率は、「この平成の世にまだテレビでおっぱいが見れるドラマ」こと「特命係長」シリーズに続く2位だそうです。おっぱいに並ぶ筋肉。人間って単純!

『黒い太陽』のここがすごい・その2 とにかくストーリーが狂っている

ドロドロを切り抜けてのサクセス、それが水商売モノの醍醐味ですよ。で、こういう漫画の王道としては「水商売にそまってない主人公のピュアさ・誠実さが奇跡的に良い方向に働いて成り上がる」というのがあると思うんですが、この主人公・立花(永井大)はただの悪い人間なのがすごい。
まず1話目、生意気な新人なので当然のように目をつけられ、性悪キャバ嬢・愛子さん(涼果りん)に控え室でハイヒールで踏まれたりするものの、そこではとりあえず耐える立花。
しかし接客時、お気に入りの千鶴(井上和香)が執拗なボディタッチに合うのを見ていきなりお客さんをブン殴る立花!狂犬とはこのこと。だがそのやんちゃっぷりを気に入った風俗王・藤堂は立花に「謹慎一週間」「そして謹慎があけたらお前はホール長だ」というソフトな処罰と異例の抜擢をし、しかも謹慎中に「研修だ」とイメクラに連れて行かれ、そこで立花についたイメクラ嬢が、藤堂に「性格の悪さが顔に出てきた」とクビにされた愛子さん!こないだハイヒールで踏んだ男にサービスしなければいけない愛子さん!帰ろうとする立花に「あんたに逃げられたら怒られる」「お金に綺麗も汚いもないんだよねえ」「裸になっただけで給料は倍」とやさぐれて笑う愛子さん!
あんまりネタバレするのもあれなのですが、凄まじさを伝える為にサブタイトルリストだけ書くとこんな感じ。

  • 第1話 キャバクラ嬢vs黒服
  • 第2話 女子更衣室で裸土下座
  • 第3話 No.1キャバ嬢誕生!!
  • 第4話 裸の店長!!絶倫男の罠
  • 第5話 愛と金…涙の等価交換
  • 第6話 潜入(秘)地下パーティー
  • 第7話 かませ犬vs最強風俗王
  • 最終話 決戦!!立花よ永遠に

「裸の店長!絶倫男の罠」!!ちなみにこの「絶倫男」の名セリフとしては「政財界一の絶倫じゃあー!!」「寿司が・・・食べたいのう」というのがありました。どうだ気になるだろう。

『黒い太陽』のここがすごい・その3 とにかく笑子がかわいい

酒井若菜扮する、「笑子」がとにかく可愛い。なんとなくテレビでやってたのを見た程度の人だと、永井大の裸やストーリーの破天荒さにどうしても目が行きがちだけども、その辺を導入部分にしてちゃんとストーリーを追い始めると「これは笑子の物語だ」と気づくはず。主にクドカン作品での「バカだけど可愛いキャラ」の演技に定評のある彼女だけあって、キャバ嬢役がハマりすぎ。馬鹿だけど健気でいつも最高の笑顔で、そして薄幸。あとおっぱい。キャバクラに通えるような人間じゃなくてよかった!こんなコがお店にいたら人生狂うよ!
「登場キャラが誰一人として全く幸せにならない」という奇跡の狂いぶりを見せる「黒い太陽」においても、笑子のしょっぱさは群を抜いていると思います。
序盤ではお店のナンバー3という地味な役で、愛子にいじめらている立花を天然なりの空気の壊し方で助ける程度なんだけども、助けたのは実は立花を気に入っているからで、理由は「笑子ね、彼氏できるといっつもお金ないんだあ・・・だけどたっくん(立花)は貸したお金を返してくれたから大好き!」という一点の曇りもないだめんずぶり。
それでもなんだかんだあって、自分の部屋で立花とねんごろになる笑子。「ねんごろ」という言葉が実に似合う女・笑子。しかし鬼畜・立花は夜中に起きて部屋を抜け出し、タンスを漁って通帳を探すという悪魔としか思えない所業。さっき「笑子さんは月にどれだけ稼いでるんですか?」って聞いたのこのためかよ!引くわ!
だけどあっさり見つかる立花。
一瞬おとずれる、とんでもなくキツい空気。
そこで笑子が怒りもせずに、むしろ笑顔で一言。

「ないの。本当に、ないの」

いやー、お金持ってないせいで、好きな男が盗みに手をそめなくてよかったね!とでも言うしかないよ。笑子を抱きしめたい!

しかし、ここがどん底かと思いきや、まだまだ笑子の地獄は始まってもいないのだった。というか結局は立花と付き合うことになって(なんでだよ!)、いったん幸せになると思わせてからの転落ぶりが本当にかわいそうなので必見です。ドラマ終盤は立花が風俗王になるかはどうでもよくなって、笑子が幸せになるかだけが気になるドラマでした。果たしてラストはどうなる笑子!?続きは来年発売のDVDで!

黒い太陽DVD-BOXディレクターズカット版

黒い太陽DVD-BOXディレクターズカット版

amazonにリンク貼っておいて言うのもなんですが、同じ日にレンタルも開始みたいです。何でもみんなに見てもらって感想を聞きたいだけなんです。あと最終回はひどいと思います。あれはない。あれはないよー。