ビッグ・ボンバーズまとめ
「ビッグ・ボンバーズ」をご存知でしょうか。
「夢の超人タッグトーナメント」にエントリーされた、スペシャルマンとカナディアンマンのタッグチーム名です。ごらんのように、最初は「技巧コンビ」という名前でしたが。
各々の経歴を振り返って見ましょう。まずはカナディアンマン。
超人オリンピック一回戦でのロビンマスクの相手としてのデビューでしたが、「巨大化して奇襲する」という以上のインパクトは残せず、ジャーマンスープレックスで負け。
それ以降には脇役としてしか出てきませんが、「黄金のマスク編」でキン肉マンがスニゲーターに道づれで殺された時には
「チェ・・・キン肉マンのうすのろめ どうせ死ぬんなら黄金のマスクを取り返してから死にゃあよかったんだ!」
という少年誌にあるまじき大暴言。そりゃあテリーマンだって怒りますよ。
そこにジェロニモが「出てこーい おめえらキン肉マンが戦っとるあいだ そん中で文句言うとっただけじゃなかか!!」と激怒。上のテリーマンの「なんてことを!」と同じく、めちゃめちゃ正論ですよ。キン肉マンの中でこんなまともなセリフがあるかっていうぐらいまとも。でもカナディアンマンは
「なにー この若僧め!」
逆ギレ。
思わずウルフマンが止めに入るほど。正義超人の歴史上、屈指の空気の悪さです。悪魔超人が人形を使って友情を操った時よりもよっぽど険悪です。
続いてスペシャルマン。
超人オリンピック予選にてアメリカ南部代表(そしてテリーマンの親友)として登場するも、キン骨マンの罠にハマって予選敗退。要するに、彼が試合をする姿は作中では全く描かれておりません。
しかし、なぜか自信だけはマンマン。
自らを「実力派」と称します。
いや、まあこれは許しましょう。超人たるもの、自信はあってほしい。卑屈よりはよっぽどマシです。
だがこれはどうでしょう?ちなみに王位争奪編、最終回直前の発言です。
「王位の座を賭けて再び超人オリンピックで闘おうじゃないか」
この発言にはたくさん間違いがあります。
そもそもこのシリーズは「ちゃんと王族の血を引いてるのは誰だ」っていうテーマでずっと戦ってるのになんでそこで王座を賭けるんだよ!しかもそんなこと言い出すってことは、あわよくば勝てる気っぽいよ!再び戦うも何もお前は予選の重量挙げで負けただけだろ!
とまあ、一通りツッコんだところでタッグチームとしてのビッグ・ボンバーズの話に戻りますが。今さらだけど安い名前ですね、ビッグ・ボンバーズ。
タッグ編が始まり、彼らは全チーム中唯一、入場シーンを描かれることなくいつの間にかリングにいました。扱い悪すぎ。
この時点でいやな予感がしましたが“はぐれ悪魔超人コンビ”アシュラマン&サンシャインの乱入によって、トーナメントの枠がひとつあぶれてしまいます。そうなると何も実績のないビッグボンバーズが目をつけられるのは当然のこと。
ここで伝説のやり取りが生まれます。
「弱体チームには大会参加をご遠慮ねがおうか!! ねえスペシャルマンさんにカナディアンマンさん!」
「弱体チームだと その言葉取り消せー!」
「これは僕たちの超人としての名誉の問題だ!!」
「お前達に名誉なんてものがあったのか!?」
ナメられすぎ。悪魔超人にさん付けで呼ばれてるのかっこわるー。そして「お前達に名誉なんてものがあったのか?」の時のアシュラマンの顔!
当然、ビッグ・ボンバーズは怒って攻撃をしかけますが
「ゆるさん!」
めんどくさいので中略するけど色々とひどいことされたあげく
けっこうひどい目にあってるのに、上のコマの直後、次のコマがもう
これ。この後も一切フォローなしで話は続いていきましたとさ。
ちなみに、昨年発売されたコンビニ版コミックスでのゆでたまごインタビューでは「ビッグボンバーズは最初から退場させる予定だった」と言われておりました。まあ、そうですよねー。
で、キン肉マン連載終了後も、カナディアンマン・スペシャルマンの名は、ドラゴンボールで言えばヤムチャ的な、ヘタレの代名詞としてネタ的に愛されてきたわけです。
さて、やっと本題に入りますが、現在はキン肉マンの息子の活躍を描いた「キン肉マンII世」が連載中。そこにビッグ・ボンバーズは出ているのかというと、一応出ました。
キン肉マンの
「おまえたちあのスペシャルマンとカナディアンマンの息子かーっ!」
というセリフの後ろには「グワシァ」の絵。そんな覚えられ方って悲しいですよ。「あー、あのやられたやつの息子ね!」ってことですもの。
まあそれでも、II世に出てこないキャラもたくさんいるわけですから、いるだけマシなのかなーと思いきや。
スペシャルマンJr.は、この次の出番があったときに
中から悪役が出てきました。
殺されたのか、それともスペシャルマンJr.なんて最初からいなかったのかは誰にも分かりません…。
この後、2人の息子の出番が全くなかったので、もうビッグボンバーズが話に絡んでくることはないだろうと思ってたんですけど、2004年からキン肉マン2世は「究極の超人タッグ編」というシリーズに突入。これはキン肉マンの息子達が初代のタッグ編の時代までタイムスリップして親子入り乱れて戦うという、常人なら思いついても本当にやろうとは思わない狂った設定なんですが、この時代はビッグ・ボンバーズのある意味全盛期なわけですよ。ひょっとしたら…という期待がずっとあったんですが…。
ここからはコミックス最新刊の話です。
タッグトーナメントにあまりにも怪我人が多いという理由で、急遽リザーブマッチをやることになりました。そこで本戦にエントリーしてなくても、客席にいる超人ならスイッチ押してくれればリザーブマッチに出れるよ、これに勝った場合、本戦でケガ人が出れば代わりに出れるよ、という話になり…
普通にいたーーーーー!
まあ、ゆでたまご先生は人気投票をそのまんま出番の量に反映させる部分もある反面、II世以降はこういうヘタレキャラ扱いされてるやつらをネタにするっていうタチの悪い顔も覗かせてるんですよ。ガゼルマンっていう弱小キャラが超人オリンピック予選でいつの間にかいなくなったと思ったら決勝直前の売店で「激白!俺はここで負けていた」みたいな本を売ってたりとか、あとはちょっと違いますが、背景に自らの打ち切り作品「ゆうれい小僧がやってきた」の看板が出てきたりとかそういう。
だからまあ、今回も「お前らこういうの好きなんだろ」って感じでボンバーズ出てくるんだろうな、と思ってはいたんですが、予想以上のフィーチャーぶりでした。
また!またこのシーン!こいつらといえばこれしかないのか!(ないです)
衝撃告白!石を投げられるスペシャルマンにジムを襲われるカナディアンマン!まあ一応は国の代表だからなあ…。それにしても2人ともいい顔!
こんなこと言ってますが、果たしてビッグ・ボンバーズの初公式戦は描かれたのか!?
初代キン肉マンが終了したのが87年、約20年間バカにされ続けた雪辱は晴れるのか!?
そして衝撃の結末!!
続きはコミックス最新刊で!でも内容的には明らかに表紙の人が主役なのでビッグボンバーズは1話しか出ないよ!まあこんなキャラがほぼ1話出ずっぱりなのもすごいけど!
キン肉マン2世究極の超人タッグ編 08 (プレイボーイコミックス)
- 作者: ゆでたまご
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/06/19
- メディア: コミック
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