さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

最近ビッグコミックで「最強伝説黒沢」を読むついでに「黄昏流星群」も読むようになりました。中年の恋愛をオムニバス形式で描く、といった内容で、黒沢といいこの漫画といい中年に夢を与えたい雑誌なんだろうなあとは思いますけども、「黄昏」に毎週のように出てくるおじいちゃん・おばあちゃんのベッドシーンは本当に滅入る。しかも背景に宇宙が出て来たり、能の先生と不倫した話の時は能面が出て来たりするよ。
 
これを読んだ時に毎回思い出すのがアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の「ケムリ妖怪えんらえんら」の時の話で、うろ覚えだけど強敵えんらえんらとの戦いで鬼太郎達がピンチになり、子泣き爺が砂かけ婆をかばうシーンがあるんですけど、そこで子泣き爺が
「一生に一度ぐらいは惚れた女の為に命をかけてみたいんじゃ!」
と叫び、それに対して砂かけ婆
「生まれた時から婆さんじゃったから、ホレたハレたは他人事だと思っとった…」
と答える衝撃的な内容。しかも背景には薔薇!今でもたまに「夢だったのかな?」と思えるぐらいすごい話だ。
子供心に「え、老人(しかも妖怪)も恋していいんだ」という、別にタブーじゃないんだけど、それどころかむしろ綺麗な話のはずなんだけど、隠された何かを感じとってすごくイヤな感じのよく分からない感情に襲われたことを覚えている。
 
いま考えると「生まれた時から婆さん」って相当おもしろい。かわいそう過ぎるよ、砂かけ…。