さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

エレキコミック「ノーセンス」「パーフェクトコント」(ともにDVD)

(※ネタバレあり)

エレキコミックは全然予備知識無しで見たけど面白かった。正直ナメてた。「パーフェクト」の方のオープニングは、王子に扮した谷井(ボケのほう、モジャモジャ頭、通称やっつん)が会場の外で寝ていて、客から選んだ女子のチューで目覚めるという寸劇から始まり、そこはぶっちゃけ寒かったです。そんなのライブ会場でキャーキャー言ってるような女子しか喜ばないよ!だからお笑い会場って行きたくないんだよ、と思わせる。余談だけどこのオープニングの司会役の人がツッコミの人(今立、通称だっつん)って気付かない程僕は予備知識がなかった(あと今立に華がない)。
でもコント部分はめちゃめちゃ笑えましたよ。ラーメンズとかの完成されてるのとは逆で、アドリブ多くて本人たちも笑いながらやってる感じ。完成されてるとツッコミも冷静になるはずなのに(何回も練習してるからね)、エレキの場合は笑いを堪えながら怒るツッコミとでも言えばいいのか、「いい加減にしろよ!」ていう感じがリアルで楽しい。谷井のたたみかけるアドリブボケに「いいよいいよもう〜!」って話を強引に進める事も多し。
例えばレンタカー屋コントでの

谷「万が万、事故っちゃった場合なんですけど…」
今「“万が万”って!それ100パーってことですよね!?」
谷「万が2万」
今「倍!?」
谷「漫☆画太郎
今「知らねえよ!きったねえ絵描いてろよ」
谷「漫☆画太郎
今「画太郎はもういいよ!しわしわのオッパイ描いてろよ」
谷「漫☆画太郎
今「何回聞くんだよ!屁とうんこ描いてろ!」

この部分とか、たぶん文字では面白さが全く伝わってないと思うんだけど、漫☆画太郎って何回も言ってるうちに面白くなってきて笑いを堪えてる谷井と「屁とうんこ」っていう咄嗟に出たからこその投げやりなツッコミの組み合せが本当に奇跡的。
漫☆画太郎で思い出したけどエレキは世代ネタも多く、ロボットコンテストネタでの

谷「先輩とのシンクロ率が落ちてきちゃった…やつんゲリオン、完全に沈黙」
今「なんだそのオタクギャグはよ!」

だとか、あと三国志ネタがやたら多かったり、その辺は女性客の受けはイマイチっぽいけど僕は面白いので問題なし!
客席の受けがやばいと言えば病院でのお見舞いコントでも

谷「ほら、ラグフェアーのCD持って来ましたよ」
今「いらねぇよ!」
谷「聞いてみてくださいよ!すっごいダサいんだから」

って、面白いけど客席にファンいたらどうするんだろ。個人の日記サイトでも言えないよそんなの。
他に好きなのは「麗富村」というコントで、

今「大変だ村長、なんでうちに観光客が来ないかわかっただ!」
谷「なんだぁ?」
今「うちの村の名前だぁ」
谷「麗しさに富むと書いて“麗富(れいぷ)村”。どこがいけないんだ?」
今「その“れいぷ”っつうのがアメリカのほうで…(耳打ち)」
谷「えー!?そんなやらしい意味だったのかぁ!」
今「犯罪だったんだぁ」
谷「俺ずっと『麗富出身』って言ってたよ、どうりでクスクス笑い来てると思ったよ」 
今「だからうちの村の雑誌取材、VOWしか来なかったんだぁ。VOW1、VOW2、VOW3、VOWメガミックス…『最近の麗富村』みたいな連載持ってるんだ…馬鹿にされてたんだぁ」
谷「でも大丈夫だぁ、今度、東京から芸能人が取材来るって」
今「マジっすか!」
谷「なんかみうらじゅんとかなんとか言う…」
今「そいつは呼んだらダメだ!」
谷「なんかスライドにしてみんなの前で発表してくれるって」
今「いや、あいつは武道館とかで色々やって…まあ最終的には馬鹿にするんですわ」
谷「なんだとー!そういうことだったのか!このままだと泣き寝入りじゃないか、レイプと一緒で」
今「上手くねえッスそれは」
 
(中略)
 
今「なんとかイメージアップを図らないと」
谷「あ、最近出た麗富温泉あるだろ。バシーっと広告打とう」
今「タレントなんかも使って」
谷「そうだな、ナレーションに声のいい人使おう。よし、森本レオ!」
今「レオはだめだぁ!」
谷「あと水沢アキ
今「それは1番合わせたら駄目だ!」
谷「(森本レオの真似で)シャワーで落とせない汚れがあります…麗富温泉」
今「もう完全に“れいぷ”があっちの意味でしょそれ!」

こんなにレイプレイプ言いまくって、見てる人の中に心に傷がある人いたらどうするんだ!
 
やってる本人達がとても楽しそうなアドリブ感、オタクギャグ、ラグフェア・レイプのとこで見られる毒、全体に感じる見てる人お構いなしな空気、これは「仲良し中学生が部室で遊んでる感じ」なのです。つまりエレキコミックは永遠の中学生だ!
 
初回にしてはちゃんとまとまったので良かった。でも長い&引用(ネタバレ)多いので以後気をつけます。