さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

 Live「中西ちゃん祭り」(西大島 Befree)

お笑いのことを書こうとか言ってる矢先に、ちょうど館長さん(人間道場)から「お笑いライブの招待券あるんだけど」と誘われたので行ってきました。全然知らない人ばっかりだったけど、無料ならそりゃ行きますよ。
ちなみに出演者は
U字工事/東京ペールワン/猫ひろし/GO!ヒロミ'44
の4組。お笑いに詳しい何人かの知人に聞いてみても「GO!さんの名前だけ知ってる」とのこと。知ってるのかよ。
 
会場に行ってみると、ちゃんとしたライブ会場ではなくて普通の個人経営のレストランバーだった。客層も家族連れやヤンキー、おそらく近所の人や店長の知り合いといった感じ。掴みの部分で「今日のお客さんはほとんどの人がいやいや来てるだけだと思いますけどね」などと言っていた芸人もいたが、あながち間違いではないであろう。
僕が前回ライブに行ったのは演劇の聖地・本多劇場でのラーメンズ公演なので、狙ったわけではないとはいえ振り幅が有り過ぎだと思う。でも「その芸人目当てで来てる」客を笑わせるより「お前らの事なんか知らんけどたまたま来たぜ」という客を笑わせることのほうが何倍も難しいが価値のあることであろう。分かりにくい例えで恐縮だが、僕はプロレスを見る際にも大会場より地方会場にこそ真実みたいなものがあると思っていて、今回のいわゆる「営業」というやつはそれに近いものがあると思う。
 
さて話は唐突に前日に戻るが、誘われた際に出演芸人の名前を検索していたところ、どうも見た事がある顔が。見た事あるって言ってもそうそうメディアに出る人でもないし…と思ったら大学の同級生でした。えええええ!名前だけ見てもわからなかったよ!猫ひろし
そういえば以前にも西口プロレス*1の会場でスタッフをしていた彼と電撃的再会をしたことがあったのでした。そういえば芸人になりたいって言ってたなあ。「同級生とカルト芸人として偶然再会」って相当なゴッド・アングルですよ。
そして猫ひろしが同級生の瀧崎くんと分かった後もさらに検索を進め、いや検索というか、なんとはてなダイアリーキーワード化されていた(!)ので「猫ひろしを含む日記」を数件見たのだけど、どうもハイテンション芸人らしい。
  
そして実際に生で見たわけだが、当日の4組の中では確実に1番受けてたし、一緒に行った連中も爆笑していた。しかし僕は「あれ?複雑な顔してるね」と言われてしまった。そりゃそうだ、久々に会った同級生がハイテンション芸人になってたんだから純粋に楽しめるわけがない。あんな人じゃなかったよ。どういう芸風かはココで映像が見れるので参考にしてもらいたい。好みが分かれるというか、爆笑してる人と唖然としてる人が半々ではあったよ。個人的には厳しいことを言うようだけど、インテリジェンスのかけらもないハイテンション芸でしかないので、生で見たら笑うけど何回も見たいかと言われたら困るかもしれない。他に引き出しがあるかどうかは分からないけど。しかし割と最近、爆笑問題の番組にゲストとして出演、眞鍋かをりが笑い転げてたという。やるなあ猫。眞鍋かをりをイかせた男!
 
ライブではセミファイナル(芸歴から考えれば偉い)の猫ひろしを終え、メインのGO!ヒロミが登場。名前からしてモノマネ芸人かと思いきや、キチガイ系とでも言おうか、鳥肌実系とでも言おうか…「この国を変える事ができるは誰だ!」とかいうテーマソングに乗って登場、上半身は裸で覆面を着用。説教漫談と称して「俺は面白いのに笑いが起きないのはお前らが悪い、テレビに毒されやがって!」と絶叫するという、そんなの芸でもなんでもないよ!と言いたくなるスタイル。最初に書いたけど客層は家族連れがメインなのに「クンニ」とか「顔面シャワー」とか平気で言ってたからね。「山田クンニ子」とか言ってる時にそれを聞いたちっちゃい子供が(たぶん雰囲気で)笑ってて、その笑い声で他の客が笑ってたのが1番面白かった、と言えばその時の地獄っぷりが伝わるだろうか。あとは「反戦歌を歌います」って言ってハンセン病患者のモノマネをして、しかも「今の分かりにくいな、反戦ハンセン病をかけて…」と説明したり。障害者ネタ+ダジャレ+受けなくて説明ってすごい組み合わせだ。「俺はテレビに出れない芸風なんだよ!」と言ってたけど自分で言うなそんなこと。萎えるから。しまいには「どうせ猫ひろしの方が受けてた」とか言い出すから最悪だ!そしてそのグダグダっぷりを客席が生温かい目で見守るという形でなんとか終了。
 
僕はどうせタダ券で気楽に見てる立場なので猫ひろしは複雑な気持ちながら普通に笑ったしそれ以外もある意味楽しんだんですけどね。金払って見てる人とかはどう思ったのか、あと「顔面シャワーってなに?」って子供に聞かれてた家族の今後とかは気になるライブであった。そしてこんなシメしかできないのは悔しいけれどそれは僕のせいじゃないです、たぶん。

*1:芸人がレベルの高いプロレスごっこみたいなことをするイベント。東京ペールワンも出てる。これも館長つながりで何度か見に行き、観戦記も書いたことがある