さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

君の名は必ず叫ぶから 僕のこと信じちゃくれないか

映画「恋の門http://koinomon.com/)」がとても気になっているのです。松尾スズキ(監督)+サンボマスター(主題歌)という組み合わせ、僕はまんまと両方とも好きなのでツボすぎますよ。まあ僕は大人計画を見たことないんだけどエッセイはたいがい持ってる、という程度の松尾ファンなのですが、それでもこの組み合わせはアントニオ猪木ハイロウズのコラボTシャツが出たとき以来の嬉しさ。

というわけで先に原作の漫画を読みました。が、漫画喫茶には最近になって出版されたハンディ版とやらしか置いてなかったので途中までしか読めず、映画に合わせて出てるんだろうに、公開前に全巻出せよ!と思った。でも読んだ後には「ラストを知らずに映画を見よう!」という気になっているのでこれはズルいやり口ですね。まあ原作と映画ではラストが違ったりするのかもしれないですけど。

松尾さんはエッセイ等で何度も「恋なんて当人は真面目でもハタから見たら滑稽だ」というような意味のことを訴えてる人で、それでいて「恋の門」の話の軸は「オタクの純愛」という*1どう転んでも喜劇にしかならないようなものなので、この組み合わせは必然なわけです。やべーすげー楽しみー。

で、漫画喫茶で「恋の門」を読んだ後には「ラブロマ」の最新刊が出てたので読みまして、これはこれで「純愛は滑稽だ」ともとれる漫画ですよね。恥ずかしいセリフのオンパレードで、普段はヒロインがそれに対して「なんでそんなこと真顔で言えるのよ!」とかツッコんでるからギャグ漫画っぽくなってるけど、たまーに見開きでドーン!って感じで恥ずかしいセリフ言って、ヒロインが照れたり泣いたりしてるの見ると、こっちまで心を揺さぶられるというか。同じような恥ずかしいセリフでも演出だとか心持ちだとか思い込みは大事という話。

話を松尾さんに戻すと、彼は「愛はお金に似ている。いつも手元に置いておきたいが、額に入れて飾るとバカ扱いされる」と言っていて、僕も「恋なんて滑稽だよ派」なので、恋してる時は(ってなんかキモい話ですみませんね)割と恥ずかしいことを平気で言えつつも心のどこかでは「うわー俺のクセにこんなことを!」とか自分でツッコまないとやってられないんですよ。だけどそれでも、喜劇になろうがバカ扱いされようが、楽しいもんは楽しいし、ブルーハーツ言うところの「愛じゃ家賃は払えないと大家さんは怒るけれど」の「けれど」の部分を大切にして行きたいじゃないですか!

とまあなんのオチもない恥ずかしい主張をしたくなるほどこの映画を見たくなってるのは秋だから気温が下がって血管が細くなってどうのこうの、とかじゃないはずだ。とりあえず僕は最近、漫画喫茶に行くことしか楽しみがないような、上の話とは別の意味でバカ扱いされる人生だけど、土曜の映画公開だけを楽しみに今週を生き延びよう、と思った次第でありますよ。

*1:英語版のタイトルは「KOI NO MON Otakus in Love」だってさ