さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

「萌えてムーチョ」

さっきテレビつけたらテレビ東京で「萌えてムーチョ」という、あんまりなタイトルの番組やってまして。

新番組らしく、これから番組に出演してもらう「萌えドル」を探すオーディションという企画が始まり、途中のCMもそっち系だったので、ブームに乗ったヌルい番組か…と思って見続けたら、案の定オーディションに集まってきたのがちょっと痛い感じのコスプレイヤーさん達。次長課長(司会)も大変だな…と思って見てたら、オーディションの一次審査が「アイドルは常に笑顔でなければいけない」ということで、感じの悪い番組ADに罵られた時の素の反応を隠し撮りするというもの。ADに「俺を笑わせてみろ」と無茶な要求をされても笑顔で対応する子もいれば、普通にブ然とした顔のレイヤーさんもいてそれがとても良かった。「メイド服を着てるのに笑顔を作ってない」という絵が新鮮すぎ。

ここら辺で「萌え系ってのが流行ってるからアイドルを作って売り出そう」という単純な番組でないことが分かる。

続いて二次審査として、次長課長(とアシスタントの女の子)と対話形式のオーディション。
最初に出てきたのが「萌えドル」という言葉から想像されるキャラの悪い部分を煮しめたような安っぽくて頭の悪そうな子(メイド服)だったのだけど、いちいち次長課長とアシの三人でつっかかる。
まず「一番の方、どうぞ」と女の子が呼び出されて椅子から立って前に出てきただけで、まあその歩き方がチョコマカしてて不愉快ではあったんだけど、
「なんやその歩き方?」
「靴が大きすぎるの?」
「(実際に椅子から自分で歩いてみて)3歩で済むとこを12歩や!」
と総攻撃。自己紹介をさせて「不思議の国から来ました」「不思議の国は月の方向にあって空を飛んでおうちに帰るんです」と言われれば、本当の住所(女の子的には「地球での住所」)を聞き出して
「なんでそんなシブいとこに…」
と笑う。それでも一次審査と違ってカメラがあるからなのか、めげない彼女が持ち歌(全国発売されてて、アキバがどうのとかいうタイトル)を披露し、「買ってくださいネ☆」とアピールしても
「いや、それはちょっと…」
と冷静にマジレス。ここで次週に続く。

最近テレビで「萌え」を取り上げた多くの番組は、基本的に「こういう人もいるんですよ」というだけで、「痛々しい」ということには触れずに感想はテレビの前の皆様におまかせ、という姿勢だったのに、こんだけきちんと裏の顔を見せたりツッコミを入れたりっていうのはテレビでは珍しかったんじゃないかと思う。完全に潰しにかかってる。まあいわゆる「萌えキャラ」の不自然さにツッコむのはネットではやりつくされてるかもしれないけど、それを深夜とはいえテレビで、しかも本人にマジレスってのはすごい。

ただ、番組的には「『萌えドル』を探す」って言ってるんだし、オーディションに残った子をずっと使っていくんだろうに、こんな姿勢でどうするんだ…と思いました。残った子のこともずっと冷ややかな視線で見ながら、むりやり良く言えば「面白がりながら」続くのか…ということが気になる。最初の子なんてすぐ飽きられるだろうから通らないだろうし。まあ一次予選を見るかぎりは全員が痛々しいキャラでもないみたいなので次回以降に期待。最初の子みたいな作られたキャラは潰して、もっとナチュラルな萌えキャラを探すってことなのかしら。ある程度の不自然さがないとそれは普通のアイドルだと思うんだけど。番組冒頭部分を見てないし、「萌えドル」の定義が良く分かんないけど、「コスプレできてオタク知識のあるアイドル」とかに落ち着くのかなー。もういっぱいいるじゃん、それ。

あ、分かった!オーディションの「アイドルは常に笑顔」から既に間違ってるんだ。可愛いんだけど、あとコスプレとかも大好きなんだけど、周りには媚びずに常にツンツンしてるアイドル、これなら漫画やアニメでは定番(=萌え系)、かつ現実では今のとこ空き家じゃないか?しかもこれを演じてるんだったらただの痛々しい人だから、一次審査で不機嫌だった人から選べばいいんだ。ってもう収録は終わってんでしょうけど。