さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

  「トータルファイターK(カオ)」レビュー(中編)

続きー。

中国

「中国 連勝頭突き術 アイアン・ヘッドー!」

さあそういうわけでアイアン・ヘッドさんです。ヘッドさん、主人公のカオとやるまえにまずはカンタローというかませ犬と対戦することに。
 
「連勝頭突き術」と名乗っている上にこのお茶の水博士の鼻みたいなデコ、明らかに得意技は頭突きなんですが、まずはヘッドさん、パンチを連打。カンタローくんはかわしながら「その得意のパンチを使えなくしてやる!」と腕関節を責めます。バーバーカ。
主人公・カオはさすがに「ヘッドの拳には拳ダコがない」「相手の得意技を知りたければ相手の五体を見よ」「ということはやっぱりあのでっかい頭…!」
あっさり逆転されるカンタロー。そしてここで登場するは「世界格闘戦士一覧事典」。まあ民明書房みたいなもんですわな。そこに「連勝頭突き術」の解説が載っているので引用。
 

この格闘技の鍛錬法はまず日めくりカレンダーを3年分用意する
そして3年分(365×3)1095枚を1つにたばねる
つづいて分厚くたばねた日めくりカレンダーを巨大な自然岩の上にのせる
鍛錬者は毎日650回ずつその日めくりカレンダーを額で打ち 技を鍛える!
650回打つごとに日めくりを一枚ずつ破っていく
日めくりが減るにしたがい額に伝わる自然岩の衝撃も増していく
(中略)
鍛錬者の額は皮膚がどんどん固くがんじょうになり
巨大なコブ状に変化して最後には血も出なくなってしまう
こうして1095枚の日めくりカレンダーのすべてを破りすてたすえには
巨大な自然岩を粉々に割ってしまうほどの頭突きパワーとなっている!!

 
どうですかこのハッタリ!このケレン味!そして具体的な数字を出すことによる説得力!数字に個人差ねえのかよ!
 
そして哀れカンタローくんは
 

ガゴォ

 陥 没 ! 

 
必殺の「日捲暦(カレンダー)ヘッドバッド」により無残な姿に。こんなメリ込み方、トムとジェリーぐらいでしか見た事ありません。コミカルなのか残酷なのかわからない表現ですね。
 
肝心のカオVSアイアンヘッドは大して盛りあがらなかったので省略します。まさかあのコブの側面は鍛えてないから弱いだなんて…。
  
 
さて、カオの住む島は地図に載っていない上に飛行機や船では上陸しづらい気候なので、技と知恵で島にたどり着けた時点で実力者なんだそうです。アイアンヘッドさんはどうやってたどり着いたかというと、宅配便になってやってきました。宅配便の船は近くまではこれるらしいですよ。その船から氷付けになった(クール宅急便らしい)アイアンヘッドさん、巨大なパチンコで飛ばされて無事・船に到着。
「宅配便となって島に上陸するとは盲点だったであろう!」
うるさいよ。
 
しかし次の挑戦者の登場シーンは、さらに我々のド肝を抜いてくれるのでありました。
 
 

ビャー

 ゲッ ゲゲー!! 

 
「ヒェヒェヒェ インド ヨガ拳法チャンピオン ミスター=カリー上陸〜!いくら上陸困難な島でもわたしのヨガ能力とFAX回線を使えばかんたんに上陸可能さ」
「お…おそろしいやつ…」
 
思えばゆで御大はこれまでにも「キン肉マン」の作中で「重いものほど早く落ちる」「地球を逆回転させると時間が戻る」「雷は固体なので投げたり敵に刺したりできる」等の、いわゆる「完璧超人物理学」を披露してきましたが、ここに新たに「FAXはデータではなく紙ごと転送させる装置」というのが加わりました。ヨガの力で自らをペラペラにするのはともかく、ワープってすごい科学力。それともワープも含めてヨガ能力なのか…。

ゆでたまご」って2人組のペンネームで、それに編集もいるだろうから少なくとも3人で話し合ってるはずなんですが…お…おそろしいやつ…。
 
つづく。