『題と解』&『答え』
- 作者: 千原ジュニア
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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千原ジュニアがネットでやってる、素人参加投稿大喜利をまとめた本。ジュニアさんは解答へのツッコミ+たまに解答も。
ジュニアさんは過去に千原浩史名義で『答え』という本も出しているのでまとめて感想を書きます。まとめて書くにはタイトルが被りすぎててややこしいんですが。
- 作者: 千原浩史
- 出版社/メーカー: (株) リトル・モア
- 発売日: 2004/03/02
- メディア: 単行本
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『題と解』は1ページにいくつも解答が載っているので読み応えがあります。が、『答え』は1ページにひとつの答えしか載っていない。『題と解』と違って絵で答えてる問題もあったりするし、全解答に解説というかフォローもついてるしけども、400ページぐらいあってブ厚いのに読み終えるのは早いかも。
『答え』はお題からもう「オヤジが『今日からこの人がお母さんだよ』と連れて来たのは、どっからどう見てもウシだった。3人の生活が始まって1年。初めて心から『母さん!』と言った出来事とは?」とかそんなのばかり。でもお題はある程度ややこしいほうがおもしろい答えが出ると思います。条件が、縛り、枷が多いほど、そして答えがその条件をきちんと守って活かしているほど、答えが出にくくなるけども良い答えになると思うんです。というのは自分がイベントでお題を考えてる時に実感しました。あくまでパターンのひとつですが、例えば「こんなサザエさんはイヤだ!」よりも「サザエさんのアダルトバージョンが深夜枠で放送開始!どこが変わった?」のほうが、「斬新な遅刻の言い訳を考えてください」よりも「アメリカからの転校生、ジョンが学校に遅れてきてひとこと。何て言った?」のほうが、自由度は下がる分おもしろくなる場合が多いかと思います。
対して『題と解』は素人が答えるの前提なだけあってお題もシンプルです。「バカ田退学入学試験、その一問目は?」ぐらいの。その分どうしても答えもシンプルです。敷居が低い分、誰でも何パターンかの答えは思いつく感じ。でも本に載ってる答えはさすがにおもしろいし、ひとつのお題に対する答えの数も、いろんな人が答えてるんだから数もパターンも豊富です。しかも問題がシンプルな分、読んだあとでも同じお題でまだ答えが出るはず。『答え』はジュニアさんのを読んだあとは「もうないわー」て思ってしまうのですけど。そこはどっちがいいのかわかんないですけどね。
というか『答え』のほうは「問題があってそれに答える」という形式ではあるものの、どこにも「大喜利」とは書いてないんですね。実際、問題も大喜利っぽくないのがわりとあります。例えば、答えが1個しか載っていない「ヤクザの大親分が改心してオモチャ屋を開いたという実話をもとに映画の制作が決定!そのタイトルとは?」→「GANG 〜玩具〜」とか。推測ですが、この問題はまず答えありきなんではないかと。先に「GANGってガングとも読めるんじゃね?」ていうのを思いついて、それを問題・解答っていう形式に直しただけなんではないかと。これは大喜利とはちょっと違うかと思います。大喜利はある程度いろんなパターンの答えが出たほうがおもしろいですが、この問題だと答えは限られますからね。
あと、『顔で答えよ』ていうコーナーがあって、例えば「新発売のキャンディー、レモン1000個分のビタミンC“スーパースッパレモン”を『そんな言うても、すっぱないやろ』と口に入れた時の顔」→ページをめくったらそういう顔をしているジュニアさんの写真、みたいなやつなのですけど、これは演技力で笑わせるものなので、「ジュニアの発想力を見たい!」と思ってこの本を読むと拍子抜けするかもしれません。このコーナーだけで結構ページ割いてるし。でもその分、よくおもしろ顔のパターンが尽きないなあ…という別の感動があります。
その辺を考えると、『答え』は大喜利本とは似て非なるものかと思います。
どっちもおもしろいですけど、ジュニアの高レベルな解答が楽しみたいなら『答え』、色んなパターンかつ数多くの答えを見たいなら『題と解』、という感じでしょうか。