さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

口偏(へん)に未(いまだ)と書いて味と読む(味皇)

id:cayoさん主催のはてなシュランというものに参加してみるよ。誰にもバトン渡されてないけど、自由参加でいいみたいだし。
美味い店リストを作ろう!という企画なんだけど、僕は美味しんぼ全巻を持ってる割には全くグルメじゃないんですよ。とりあえず量を食えればいいと言うか。前に「ファスティング」っていうのをやったことがあって、要は断食なんですけど、3日間を余裕で完遂しましたからね。それぐらい「食」には執着がありません。たぶん「これを一粒食べればおなかいっぱいになるよ」っていうカプセルとかあればそれで割と困らない気がする。「何食べたい?」って聞かれたら「なんでもいい」か「肉」しか答えないような面白みのない男ですよ僕は。昔、パペポTV笑福亭鶴瓶が「好きな食べ物は油もん」「油が悪ければ悪いほど美味い」と言ってたけど、それに共感する男の選ぶお店はこちら!

このお店はインターネットの人に誘われて6人ぐらいで行きました。美味いものに興味ないとか言ってる僕でも、みんなでご飯を食べるのは好きですからね。それに「創業は明治19年」とか「高村光太郎の詩にも出てきた」とか聞かされたらさー、そんなの不味いわけないじゃん?(単純)
お店に着き、まずは威厳のある店構え、そして「太鼓を叩く回数で店の奥に人数を知らせる」という訳の分からないシステムにやられます。
そして全員が牛鍋(特)を注文。3600円とややお高いですが、聞いた話によると牛鍋(上)とはやはり味が全然違うらしいのでここは(特)しかないでしょう。ちなみに牛鍋っていうのはすき焼きに似てるんですけど、細かい違いは各自調査!とりあえず牛鍋のほうが庶民的な料理のようで、店員さんにも「ちょっとお下品ですけど、残り汁をご飯にかけて食べると美味しいですよ」と勧められたのには驚き。100年やってる店なのに、この良い意味での威厳のなさよ。
そして肝心のお肉ですが、まず間違いなく「今までの人生で食べた物の中で1番美味い」と言い切れる、最高級の近江牛霜降り具合もものすごく、美味しんぼで「霜降りなんてありがたがるのは日本人だけだ」っていうシーンがありますが、それなら日本人で結構!脂身万歳!であります。
僕みたいな「好きな食べ物・チキンラーメン」と堂々と言える男が肉を誉めても「肉なら何食っても美味いんじゃないの?この貧乏舌が!」と疑われるかもしれませんが、その時の肉の美味さを物語るエピソードとして、こんなことがありました。
まず最初に誰かが食べて、あまりの美味さにニヤけ、そのあと笑い出したんです。きっと言葉が出なかったんでしょう。そしてそれを見た別の人が「おいお〜い、たかが牛肉だよ?肉食ったぐらいでそんな…(パクリ)…んま〜い!」と後ろにひっくり返り、さらにもう1人が「ははは、○○さんまで冗談きついわ〜、いくら美味いったってそんな…(パクリ)…んま〜〜〜い!」と続けてひっくり返るというベタベタな寸劇!きっとみんな何か上手いこと言おうとするよりも、そんな風になんの捻りもない、吉本新喜劇のようなストレートな表現しかできなかったのでしょう。細かい説明や比喩のいらない、そしてグルメじゃない僕にも伝わる、分かりやすくて圧倒的な「美味さ」!それが米久の牛鍋(特)!
そして僕は「世の中に美味いものはある」と改心し、はてなシュランにも期待を寄せるのでした。めでたしめでたし。