さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

SPA!とクイックジャパンと美味しんぼ編

開場後、席について客入れ用のBGMが流れる中で試合開始を待っていると、突然音楽が聞き覚えのあるものに。こ、この曲は…中村由真の『DangDang気になる』(アニメ『美味しんぼ』のオープニング)!なんかの前フリかな?と思ってるうちに曲が終了、そのままオープニングVTRに。

12月某日、都内「マッスル」事務局に呼びだされた扶桑社『SPA!』編集部の織田さんと大田出版『QuickJapan』の梅山さん。
SPA織田「なんなんですか、こんなところに呼び出して・・・」
QJ梅山「僕ら一般誌の編集者は、年末進行や忘年会、作家の先生達の打ち合わせで忙しいんですよ!」
織田「僕なんか正月からグラビアの撮影で海外ですよ」
梅山「正月は海外行っても一般人だらけで嫌になりますよねえ」
織田「僕ら一般誌の人間が一般人を批判したらダメじゃないですか」
梅山「あ、そうですよね」
2人「はははははは」


一般誌一般誌うるさいよ(笑)!ていうかプロレスラーじゃない人をオープニング映像に巻き込んでる時点でおもしろい。


マッスル坂井「ゴホン、あのー、このお忙しい時期にお2人に集まってもらったのに実は理由があるんです」
織「だから忙しいって言ってるだろう!」
梅「ああ、もう松尾スズキさんのところに原稿を取りにいかないと…」
このあからさまな説明ゼリフに対して会場・笑い。


坂井「今日、お2人には召し上がっていただきたいものがあるんです。趙雲、あれを持ってきてくれ」
趙雲が運んできたのは(マッスル坂井の好物でもある)担々麺。それを食べる2人の編集者。
梅山「なんだこれ!」
織田「こんなまずいものを食べさせる為にわざわざ呼び出したんですか!」
坂井「まあまあ2人とも。次にこちらの担々麺を召し上がってください」

再びどんぶりを運んでくる趙雲。食べる2人。

織田「こ…これは!?なんだこのスープは?もはや中華じゃない、イタリア料理だ!」
梅山「挽き肉と麺の絡まり具合、これはまるでボロネーゼ・・・。じゃあこのスープはさしずめ地中海を表しているということか」
(BGM:DangDang気になる
坂井「この2つの坦々麺の違いがお分かりになりますか?皆さんが美味しいと感じた坦々麺には実はこれが入っているんです」
趙雲がゴマの入ったすり鉢を差し出す。
2人「こ、これは!?」
坂井「そうです、お2人が食べて美味しいと感じたほうの担々麺には、私達マッスル戦士が丁寧に丁寧に一生懸命に摺ったゴマが入っているんです」
趙雲「日本では『ゴマをする』という言葉には『目上の人に媚びへつらう』という意味があります。しかし、我々が丁寧に摺ったゴマには八角や山椒といった個性の強い食材をまとめる力があるんです」
(背景にいろんな調味料の絵)
坂井「SPA!で取り上げていただいて以来、マッスル後楽園の前売り券は完売。取材依頼もたくさん来ました。こうして今後、クイックジャパンさんにも特集を組んでいただけることにもなりました(会場から歓声)。扶桑社さん、大田出版さん、今後ともマッスルをよろしくお願いします(終始、ゴマをするジェスチャーを続けながら)」
梅山「ゴマすって地、固まるとはこのことですな!」


一同が爆笑していると、マッスル総合演出家の鶴見亜門が登場。
亜門「騒がしいなあ、どうした?」
坂井「今日は一般誌の方々をお呼びして、大々的にゴマをするという、そういうあれをやっていました」
亜門「なんでだよ」
坂井「雑誌載りましたよ、SPA!の『エッジな人々』、4ページも」
亜門「忘れてた。ちょうどそのことでお前に言いたいことがあったんだよ。おい坂井、(インタビューを指し)『プロレス専門誌では(マッスルは)ほぼ黙殺状態になっている。プロレスの記者の方って、プロレスをスポーツと思い込んでいる。それがそもそもおかしい(笑)』ってなんなんだ、この言い方はさ!お前さ、今までプロレスマスコミの方にどんだけお世話になってると思ってるんだよ!」
坂井「いや、そのほうが喜ぶと思って。ちゃんと『(笑)』もついてるし・・・」
亜門「このバカ野郎!お前らさ、専門誌の最新号読んでないのか?週プロさんは編集部一同でマッスルを絶賛してくれたんだぞ!エースの高木記者にいたっては、『2007年はマッスルに注目してましゅ』と言い切ってるんだよ。ゴングさんにいたってはカラーでドドーンと載せてくれてるし、Kamiproさんは古田新太が載ってるよ。(古田さんインタビューの)『マッスルは大人計画劇団☆新感線になれる可能性を秘めている』って、新感線ってテメエの劇団じゃねえか(会場・笑)、とにかくこんだけ絶賛されてるのによくそういう言い方ができるよ!お前らそんなに一般誌に載りたいのかよ、地上波に出たいのかよ!雑誌に出たいなら作家になればいいんだよ、テレビに出たいんだったらタレント事務所に入ればいいんだよ!趙雲は(中国人キャラなので)稲川素子事務所に入ればいいんだよ!そもそもお前らはプロレスラーになりたいんじゃなかったのかよ!」
坂井「あ、そうだった!」
亜門「だったらこんなとこで油売ってないで、いや、ゴマすってないで、さっさと練習しろよ!俺は今まで培ってきたエンターテイメント的演出でマッスルを引っ張ってきた。次のホールのチケットも完売だから俺の役目はおしまいだと思ってる。今まであえてプロレスっぽくないところでお客さんの目を引いてきたけども、これからはお前ら自身がちゃんとプロレスをやってお客さんを喜ばせるべきだ!なにより俺自身が、お前らが一生懸命戦ってるところを見たいんだよね」
坂井「あ、亜門さん!」
織田さんと梅山さんが拍手。
梅山「次のマッスル、楽しみにしていますよ」
織田「こんなに美味しい担々麺が作れるんだ。プロレスだってできますよ
本家『美味しんぼ』を彷彿とさせる適当すぎるセリフだなあ…。

坂井「ありがとうございます!1月の後楽園ホールまで時間がない、よーしみんな、練習だ!」
亜門「おいおいおい、何か忘れてるんじゃないのか?」
坂井「あ、あれですね。えー、プロレス専門誌の皆さん、ファンの皆さん、プロレスはスポーツじゃないとかマスコミ批判みたいなこととか言って本当にすみませんでした。2007年は私ども立派なプロレス団体として選手・スタッフ一丸となって頑張っていきますんで、今後とも応援のほどよろしくお願いします。じゃあみんな、練習頑張るぞー!」
ここでBGM、オープニング映像開始。背景はきちんとプロレスの練習をするマッスル戦士の面々。


これはあれですよ。マッスルは軌道に乗ってきて、ついにはSPA!に載ったはいいものの、インタビューの発言が昔からのファンの怒りを買い、「軌道に乗り始めたところで天狗になって失敗するやつはいくらでもいる」「有名人になってさっさとプロレスの向こう側とやらに行っちまえ」と批判されていたのですが(主に2chプロレス板のマッスルスレで)、それを見事にネタにしてます。自ら一般誌(笑)に媚びへつらっていることを茶化してみせ、それを怒られて、そして原点であるプロレスに戻る、と宣言してるわけです。そしてやっと本編開始。