さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

PRIDE GP 二回戦

地上波中継も終わったのでいろいろと書くよ。あと何度も書いてますが僕は技術論はからっきしなので(実はちょーっとだけ修斗を習ってたこともあるのですが!)感想文だよ。見てる人は細かいことはどうでもいいんだよ、という小川直也スタイル!(開き直った)どうでもいいけど、「死ンデモ、生キ残レ。」っていうキャッチフレーズは「健康のためなら死んでもいい」っていうギャグに似ている。

桜庭和志VSニーノ・“エルビス”・シェンブリ
エース・桜庭の復帰試合。テレビ的には“軟体男”と怪奇派扱いだったけど、実態はヒクソンの再来とまで言われる天才柔術家…なのにアグレッシブさに欠けた。確かに体は異常に柔らかく、え、そんな態勢からそんな動きも?ってのもたまに見せるんだけど、ひたすらガードポジション。最近“悪魔の巣窟”シュート・ボクセに移籍してヴァンダレイ・シウバらと練習してるらしいけど、超攻撃的なスタイルが売りのSBとしては、ニーノは失格なんじゃないだろうか。桜庭もヒザを痛めて試合出来る状態じゃなかったらしい(それも家に帰ってきてから知ったんだけど)ので、そんな2人がいい試合を出来るはずなく、判定で桜庭。終盤に桜庭が見せたフットスタンプは攻めるための技じゃなく、単にお客さんに“せめてものサービス”という感じ。
クイントン・“ランペイジ”・ジャクソンVSヒカルド・アローナ
PRIDEミドル級王座・挑戦者決定戦。第一試合のようにグラップラーVSグラップラー、技VS技の組み合わせは見てる人に判りづらかったり、噛み合わなくて地味な試合になったりするものだけど、この試合は完全に力VS技なので楽しめた。アローナは、柔術テクはすごいんだろうし、顔も好きなんだけどどうも試合が地味なんだよなあ…。なんで“ブラジリアン・ボルケーノ”なんて大層な異名がついてるんだろう。まあとにかく、ジャクソンを応援することにする。ミドル級GP準優勝ながらどうも雑なイメージのあるジャクソンに対し、アブダビで寝技世界一の称号を持つアローナが全体的に試合を支配してたように思う。巧い。ジャクソンやばいなあ…と思いきや、ガードポジションから三角締めを狙うアローナに、超・ハイアングルのパワー・ボム!サップがノゲイラに炸裂させた時は「ガチなのにこんな技!?」という驚きだったけど、ジャクソンのそれは単純に角度だけで驚いた。越中VS蝶野、あるいはアンダーテイカーのラスト・ライドに匹敵する、掛け手と受け手が一度直線になる見事すぎる一撃でKO。叩きつけたあとにパンチも打ってたけどたぶんパワーボムでもう終わってただろう。良いものを見させてもらった。いや、会場にいたのにモニターで見たんスけどね…。ずっと寝技だったからそっちのほうが見やすくて…。そして試合後、何度もパワーボムがスロー再生。客席はちょっと笑ってた。本当にすごいものを見たときはみんな笑うのだ。惜しいのは空中でのアローナの表情が見えなかったことかな。
セルゲイ・ハリトーノフVSセーム・シュルト
試合前のVTRで「巨大格闘ロボ」「ロボ特有の堅い動きで」「ロボは死なない!」等とさんざんロボ呼ばわりされたシュルト、僕も知人に「動きがぎこちなくてロボットみたい」とよく言われるのでちょっとだけ感情移入。♪おーれはーなーみだーを流さないー(ダダッダー!)ロボットだからーマーシーンーだーからー(ダダッダー)とグレートマジンガーのテーマを歌わざるを得ない。しかし相手も「戦慄の格闘マシン」ことハリトーノフだ。これは機械対決なのかー?まあシュルトが見た目だけでロボと呼ばれてるのに対し、ハリトーノフは冷静・無感情かつ正確に相手を仕留める、ウォーズマン的な意味でのマシンなのだ。試合もあっさりとハリトーノフがマウントを取り、シュルトも長い足で返そうとするが無駄に終わる。「ロシア軍最強の男」の異名も持つハリトーノフが躊躇なくボコボコに。まるでいたぶっているかのように長い時間パンチ、それも全く表情を変えずに。そして僕の後ろの席から「高田本部長ならもうタップしてるよ」との声が聞こえ、その後モニターにシュルトの血まみれの顔がアップになり、客席から「うわあ・・・」の声が漏れたと同時に試合終了。恐ええええええ。ロシア軍の人とだけはケンカしたくないな。する機会ないけど。
小川直也VSジャイアント・シルバ
シルバはアンドレ・ザ・ジャイアントのテーマで入場。やっぱデカい!230センチ!(ちなみにシュルトは211センチ、ジャイアント馬場が209センチ)しかもデカいだけでなくバスケでの五輪出場経験者である。小川対策に柔道を学んできたと言い出したときはちょっとどうかと思ったけど。しかもなぜか今回の試合用コスは柔術着(下半身のみ)だ!小川との対戦が決まった後は「小川を勝たせるためだけのカード」と言われたものの、雑誌とかネットの記事を読むと不自然なぐらいに「シルバをなめるな」というものが多く、「盛り上げようと必死だなー」という気持ちもあったんだけど、実物見たらやっぱりデカい!1人と言うにはあまりにも巨大過ぎ、2人と言うには人口の辻褄が合わない!こんなの誰も勝てないよ!こんな人とケンカしたくないよ!(こればっか)そして試合開始、すぐに小川にテイクダウンされる。えー!?そしてあっけなくマウントパンチで試合終了。大巨人、何もできず!まあダウンされてからすぐ終わるかと思ったら意外と粘ったので、「お前、大男の中の大男だよ!」と言っておこう。試合後、小川は「優勝とか興味ない、1分1秒でも多くハッスルを宣伝するためだけにやってます!」と宣言。かっこいい。
吉田秀彦VSマーク・ハント
柔道金メダリスト VS K-1世界チャンピオン!究極の組み技VS立ち技のはずなのにどうも個人的に乗れないのは2人ともヘラヘラしたキャラのせいかしら?吉田は「(ハントの打撃は)けっこうヤバそうっすよね〜」とのん気に言っていたし、ハントもK-1で優勝したあとは練習しなくなった人だ。入場式でもポケットに手をつっこんでたのでコンビニにでも行く気か?と思ったし。でもストイックで強いよりも普段は適当だけど世界一ってほうが格好良いのかもなあ、桜庭だってそうだし…と思いなおすことにしよう。試合前、高田が見所を聞かれ「吉田選手はハントの打撃に付き合っちゃだめですよ」と一言。え、それは総合を初めて見るおじいちゃん・おばあちゃん相手のコメント?という感じでズッコけていたら試合スタート。それぞれの試合用コスも柔道着とキック・トランクスで、ザ・異種格闘技!という感じで、試合自体も緊張感があって良かったんじゃないでしょうか。あっさり吉田が勝つと思っていたので、ハント頑張った。試合後の吉田マイク。「僕は友達少ないんですけど(笑)、今日は会場に友達が来ています・・・紹介します、Gacktです!」と客席にスポットライト。「試合前に彼のライブに行って力をもらってきました!」どんなハシゴの仕方だ!しかしほんと吉田さん、ミーハーっていうか芸能人好きだよね。
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラVSヒース・ヒーリング
ここからは3強と呼ばれた男の試合が続く。しかも番狂わせがあり得る組み合わせ。S級対A級って感じかな。まずは帰ってきた名勝負数え歌ガチンコ版!といってもまあ2回目なんだけど。前回の対戦、攻めまくるノゲに極めさせないヒーリング、ノゲが一方的に押してるはずなのにそう見えない不思議な名勝負だった。あれから三年・・・またしても同じ展開になるとは!客席はノゲが極めに入って「ああ〜(落胆)」、それをヒーリングがイリュージョンとでも名づけたい脱出を見せ「おお〜(拍手)」という展開。それを数回繰り返す。しかし前回と違い2Rにきっちりと捕らえてスピニングチョーク!ガチンコなのに2試合続けて必殺技!?しかもオリジナル技!?なんだそれ!!やっぱすげえよアントン!!
エメリヤーエンコ・ヒョードルVケビン・ランデルマン
ランデルマンのミルコ戦後のマイク、「おめぇらのために怖いけど戦ってるんだよ」は心に響いたのでランデルマンを応援。あと前にも書いたけど藤原組長をセンセイと呼ぶプロレスラーだしね。そして試合。ランデルマン、いきなり超・急角度のバックドロップ!四天王時代の全日本プロレスでも見たことないよ!でもヒョードルは何もなかったように続行!全日は多分マット柔らかかっただろうに、急角度の技のあとは休んでただろ!なんでヒョードル元気なん?そしてそのあとあっさりアームロック。ランデルマン、無念!ヒョードル、死角なし!
総括
いやあ、人類60億のうちの四天王が決まりましたが、正直満足度はいまいちかな。全試合、どっちが勝つか予想してた通りの結末ってのはちょっとね。プロレス以上に予定調和。だって全試合、青コーナーの人(上のリストで名前を右に書いてる人)が負けたよ。自分、青コーナー側の席だったんでちょっと悲しかったッス。パンフレットのトーナメント予想、19人中15人が勝者を的中させてたってのはちょっとね。決勝でヒリヒリできることを期待!