さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

  「トータルファイターK(カオ)」レビュー(前編)

皆さんは「キン肉マン」「闘将!!拉麺男」以外のゆでたまご作品といえば何を思い浮かべるでしょうか。そう聞かれて、ジャンプ世代ならば「蹴撃手(キックボクサー)マモル」、「ゆうれい小僧がやってきた!」、その他にも最終話でウォーズマンが出てきたことのみ話題にされがちな「スクラップ三太夫」などを思い出した人も多いかと思います。単行本の数で言えばキン肉マンが全36巻なのに比べ、上記の3作品は2〜5巻で打ち切りなのにも関わらず、(主に笑いの対象とはいえ)話題にされるのだから、あの頃はみんなジャンプを読んでいたのだなあと思います。
しかし、それ以外にまったく話題にもされないマイナーゆで作品がいくつかあるのを御存知でしょうか?ゆで先生にしては珍しく格闘要素のない奇作・「グルマンくん」のレビューはこちら(良サイト!)で既にやられているので、ここでは「トータルファイターK(カオ)」の紹介でもしてみようと思います。や、たまたま手に入ったもんでね。
 

トータルファイターK

ゆでたまご漫画家生活15周年記念作品」!

 
なんでこの作品がマイナーかと言えば、連載誌がコミックボンボン、しかも4巻で打ち切りという単純な理由。画像では分かりにくいですが、帯の全日本プロレス三沢光晴による「本作品はまちがいなくゆでたまごワールドの決定版でしょう」とのコメントが涙を誘いますね。
 
ちなみに三沢さん、「ハッキリいって、僕のライバルだよね!」と推薦文を締めていますが、この「ハッキリいって」というフレーズは当時の「全日本プロレス中継」での不人気コーナー、「プロレスニュース」で福沢“ジャストミート”朗アナが勝手に三沢の口癖として定着させたもので、実際のインタビュー等ではほとんど言っていません。プロレスニュースではハンセンのコメントの語尾に「ウィー」と付けてみたり(例・「俺達は絶対に負けなウィー!」)無茶苦茶でしたね。ええと、なんだっけ、つまりこのコメントも三沢が言ったかどうか怪しいってことです。
 
さて、本編の紹介。
とは言いましても、4巻で打ち切りなのでちゃんとストーリー追うなら偉い中途半端で終わるし、ゆで漫画なので1ページに1箇所はツッコミ所があるのでわざわざ全部指摘してたら大変に疲れる&ツッコむのパターンも尽きるよ!というわけでダイジェストになるのはご了承ください。
 
まずストーリーとしては「主人公・カオは200年前から受け継がれている“無敵喧嘩躰術”の5代目。弱い他流派とは試合をしないのが伝統だったものの、“200年の間に他の格闘技も進歩しているかもしれない”ということでカオ16歳の誕生日に異種格闘技戦を行うことになった…」といったところでしょうか。
 
カオはキン肉マン以上にブサイクで、スクラップ三太夫以上にウンコをもらします。というかボンボン=低学年=ウンコというゆで先生の発想にもビックリ、と言いたいところですがジャンプだろうがプレイボーイだろうがウンコは出てくるのでした。しかもウンコがないと負けてた試合も当たり前のようにありますし…(対MAXマン戦、対ウォッシュ・アス戦)。
さてこのカオ、ブサイク・ウンコ以外の特徴としては「筋力が異常に発達している(16歳の誕生日まで着ていたスーパーボディー養成スーツのおかげ)」「ピンチの時にはそれまで眠っていた“窮鼠パワー”が発動する」という、キン肉マン劣化コピー以外の何物でもない(しかもそんな設定は序盤でしか活かされていない)魅力の無さ。だけどキン肉マンだって、主人公スグルは常に人気投票は13位とかそんなもんでした。つまり魅力的な仲間・ライバルが出てくれば面白くなるかも…というわけでガマンして読み続けてみましょう。
 

下品

終止こんな調子の主人公

 
こりゃ人気でねえよ!とりあえず第1話はカオの実力を見せるだけの話なので、対戦相手も普通の人間のボクサー・レスラー・力士でしたが、これから先は大会が始まる様子。こりゃあ期待せずにはいられません。というわけでまず1人目の対戦相手。
 

中国

いきなり異形の人きたー!

 
 
長くなりそうなので続く。