さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

太陽のドロップキックと月のスープレックス

「もはやタブーではない!」ってことで、「プロレスの勝敗は事前に決まってますよ」ということを前提にした漫画がモーニングで連載開始。
 
タブーじゃないって言ったって日本では(公式には)そんなカミングアウトはされてないわけだけど、ミスター高橋*1が「プロレスはショーだよ」「流血は演出だよ」「アントニオ猪木は真剣勝負を2回しかやったことないよ」という内容の本を出したり、向井亜紀代理母出産の記者会見で夫婦別居の原因について「高田延彦がやってることは真剣勝負だと信じてたけど自伝にはそうじゃないって書いてあった」って喋った映像がワイドショーを通じてお茶の間に流れたり、「タブーではない」というよりは「もう隠しようがない」と言ったほうが近いかな。
 
僕は「真剣勝負しか面白がれない人は頭が固い!とWEB上で言いきれる程度にはプロレスを愛してるわけだけど、真剣勝負しか面白がれない頭の固い人ばかりだから今のPRIDE・K-1の隆盛があるのか?と言われたら答えはノーで、今の日本のプロレスがどうしようもないんでしょうがないッス。それは認めるッス。地上波で深夜やってるとこだけ見てあれがプロレスだと思われても困るけど。
 
「ショーならアクション俳優でも連れてきて勝たせまくってスターを作ればいい」ってことになっちゃうんだけど、そこがプロレスの難しいところで、その辺りをこの漫画が書いてくれればとても楽しい。上手くいけば「結末が分かった上でプロレスを楽しむためには」ってことをガチしか見ない人に啓蒙することも出来ると思う。
 
でも「指先から散弾銃」さんにも書いてあるようにプロレスを真剣勝負として描いている「アグネス仮面」も圧倒的に面白いわけで、そっちを面白がる世の中っていうほうが健全な世界だとは思うんですがね。

*1:元・新日本プロレスレフェリー。この漫画には「協力」という形で名前を出している