さよならテリー・ザ・キッド

おとなをからかっちゃいけないよ

ゲゲゲの鬼太郎 第3期107話「ケムリ妖怪えんらえんら」

が、めちゃめちゃ良い老人同士の純愛話なので皆さん見てください。と言いたいところなんですが誰もが見れるわけでもないので断片的に紹介します。


猫娘・夢子・シーサーが銭湯でお風呂に入っていると、謎の煙に襲われる。
火事と勘違いして逃げ出す一同。
そのスキに脱衣所ではガスマスクをしたねずみ男が客のサイフを盗む。コスい!
そして「ねずみ男、もうじゅうぶん煙は頂いたよ」と言う謎の影。
ねずみ男「じゃあもう引き上げるとするか。えんらえんらは最高の妖怪だぜ」
ここでサブタイトル。


さっそく鬼太郎のとこに相談しに行く猫娘達。

そこに他の銭湯でも煙が現れたという知らせが。

鬼太郎、すぐかけつけて毛針で応戦するも、相手が煙なので通用せず。

目玉の親父「子泣きと砂かけに知恵を借りよう」


砂かけババア「それは妖怪“えんらえんら”じゃ。本来は山奥の炭焼き小屋で煙を食べて暮らす、か弱い妖怪じゃよ」

その山奥の炭焼き小屋に行くと、なぜか子泣き爺が酔いつぶれて寝ている。

砂「全くしょうのないジジイじゃ。起きんか子泣き!」

子泣き爺「なんじゃ、婆さんか」

砂「『婆さんか』じゃないぞ、妖怪の長老としてもっとピシっとした生活態度を取れんのか?そんなことじゃからその歳になっても嫁さんの来手がおらんのじゃ」


この「幼なじみの世話焼き大好き委員長」という感じのババアの表情とポーズを見よ!


子泣き「まあ、今日は飲ませてくれ…」

砂かけ「ダメじゃダメじゃ!」

子泣き「炭焼きの爺さんが死んでしもうての、手向けの酒じゃ…爺さんとはいい飲み友達じゃった…人間とは脆いものじゃ…ちょっと風邪をこじらせただけで…」

砂「仕方がない、人間には寿命があるからのう」

子「いつも残るのはワシら妖怪じゃ、人間はただ通り過ぎる旅人…」

砂「子泣き、元気を出すんじゃ。こんなくたびれた婆さんでよければ、酒ぐらいつきあってやろうぞ」

子「ワシらも長く生きたもんじゃ…」

砂「ああ、長い腐れ縁よ…」

ここら辺から、砂かけと子泣きがいい仲になってくる。


砂「ところでこの炭焼き小屋に住んでおった、えんらえんらはどうした」

子「そういえば見んのう、炭を焼くものがいなくなりどっかへ行ってしもうたか」

砂「やはり…ヤツは町へ出て、大暴れしとるらしいぞ」

子「なに!それは大変じゃ!町の煙は毒じゃ、えんらえんらはどんどん凶暴になるぞ!」

鬼太郎「ええ!?」

子「これも炭焼き爺さんの縁じゃ、えんらえんらを連れ戻そう」

砂「爺さん」

子「うん?」

砂「まだまだ若くてカッコ良いぞい」

子「バ…バカこくな」


2人とも可愛い。


街で暴れるえんらえんら。
煙ゆえに物理攻撃が効かないので、砂かけの用意した香木でおびき出し、風の神に借りた風神袋になんとか閉じ込める。
まあこの辺のバトルはこの回では重要な場面ではないので省略。


鬼太郎「やりましたね父さん!」

目玉の親父「うむ!これも子泣きと砂かけの活躍のおかげじゃ」

砂「おい!子泣きの爺さん」

子「なんじゃい婆さん」

砂「まだまだ若いモンには負けん気じゃ!惚れなおしたぞい」

爺「イヒヒ…(照)」

またしてもこんな。というか2人はこういう仲っていうのは、鬼太郎の他の回であんまり描写されてないと思うのだけど。急接近すぎ!


とかなんとか言ってると、えんらえんらが袋の中でどんどん煙を吐き出し、袋は許容量を超えて破裂。逃げ出すえんらえんら。煙まみれになる一同。


子「砂かけ!大丈夫か?」

砂「苦しい…息ができん」

子「これで煙を防いでくれ」
いつも背負っている蓑を脱いで渡す。

砂「すまん」

子「…よーし」

砂「子泣き!何をするつもりじゃ!」

子「ワシがヤツと戦っている間にみんな逃げるんじゃ!」

砂「こ…子泣き!」

子「砂かけ……達者でな!(親指グッ)」

死亡フラグきたー。「無事に戻ったら一緒になろうな」とでも言いたげの顔。


砂「子泣きーーーーー!」



子「えんらえんら!こっちへ来い!ワシと勝負じゃー!」


しかし、もともと石になるぐらいしか能力がないので、おびき寄せるだけで特に何もできない子泣き爺。


子「くそーーー!ゲホッゲホッ」

駆け寄る砂かけ婆

砂「子泣き!大丈夫か!」

子「砂かけ!さっさと逃げんかい!」

砂「バカ言え!長い付き合いのお前を置いていけるか!お前こそ、どうしてこんなバカなことを!」

子「…一生に一度ぐらい…惚れたオナゴのために命を懸けてみたかったんじゃ…!


どーん



どーん



どーん


絵がおもしろすぎる。ドラえもんの「きれいなジャイアン」はフィギュア化もされてるぐらい有名だけど、この「きれいな子泣き爺」も同じぐらい名場面だと思う。まあ演出でキラキラしてるだけで顔の造型は変わってないけども。

あと2人が見詰め合ってる場面の背景が宮殿なのも謎すぎ!戦ってる場所は野原なのに!少女マンガ的演出にしても宮殿はないよ!


そして衝撃の告白後、倒れる爺。

砂「どうした子泣き!くたばったのか!?子泣きー!」


砂「ぬうううん!」

(ここら辺からBGMが和太鼓に)


砂「生まれた時から婆さんで!」



砂「惚れたハレたは人ごとばかりじゃったー!」



砂「今こそ砂かけ1200歳の青春を、花と咲かせて見せようぞ!」


砂「砂かけ婆、一世一代の秘術!灰砂塵!」



風が舞う!雷が落ちる!地面が割れて浮く!いつもは砂による目潰しと、妖怪・医療に関する知識方面でしか活躍していない砂かけ婆が、こんなドラゴンボール的演出で描かれるとは!


自らの体を砂にして、えんらえんらにまとわりつく砂かけ婆

えんらえんら「ギャアー!体が!体がー!」

そして残るはドロドロの液体と、砂かけの帯。


目玉の親父「これはコールタールじゃ」

泣き崩れる子泣き爺。

子「砂かけ…砂かけ…」



場面は変わって妖怪病院。

目玉「砂かけは自らの体を砂にして、えんらえんらの煙を吸い付けたんじゃ」

鬼太郎「自分を犠牲にして僕らを助けてくれたんですね」

子「砂かけを助けてやってくれ…砂かけを助けるためならワシの命を使ってもいいぞ…ううう…(泣)」

目玉「コールタールは一滴残らず集めて持ってきた。あとはこの妖怪病院の妖怪分離機に任せるしか手はあるまい」

ドラム缶に集められたコールタールを、巨大な遠心分離機のような機械に入れるぬりかべ。

子「婆さん、助かってくれよ…お前がいないでどうやって長い長い余生を暮らせっちゅうんじゃ…」

その後、炭焼き小屋でえんらえんらに
「これからはワシが炭を焼いてやる」
「街の煙の毒が悪いわけでお前に罪はない」
と語る爺のもとに




「お茶が入ったよ」と砂かけ婆が現れてめでたしめでたし。


異色だけど良い話!

以前にこういう日記を書いて、「あの話はひょっとして夢だったのか」という思いもあったのだけど、それが解決して良かったです。

この他に第三期鬼太郎では、視力を失った少女に尽くす中年妖怪ぬりかべが、二人を引き離そうとする鬼太郎と対決する!『純愛 ヌリカベとおしろい娘』もおすすめです。